発作、広場恐怖、救急車を呼ぶことも……
パニック障害には患者さんの遺伝的な要因と環境的な要因が関係します。パニック発作の予期不安や広場恐怖が、対人接触を拒んだり、外出できなくなる状態に進み、うつ病になることもあるので、注意が必要です。
原因は遺伝と環境、離別、孤独、虐待、ストレスなども関係する 「パニック発作の原因には遺伝的要因と環境的要因が関係しています」と話す貝谷医師。家系的に問題がない場合も、幼少期に親と離別したり、孤独感を感じたり、虐待を受けたり、幼児教育や受験勉強などで強いストレスやプレッシャーを経験し、パニック障害に陥ることもあるそうです。
寝る前など、リラツクス時ほどパニック発作を起こしやすい 「TVに出演してドキドキするのも、状況的なパニック発作です。しかし、パニック障害の患者さんのパニック発作は、リラックスしているときや、夜寝る前などに起こることもあり、リラックスパニックと呼ばれています」と貝谷医師。 パニック発作の経験が再発の恐怖を呼び起こす 貝谷医師の調査によると、パニック発作で救急車を呼んだことがある患者さんが全体の約30%もいて、この経験によって「また発作を起こして救急車を呼んでしまうかもしれない」「人に迷惑をかけてしまう」「恥ずかしい思いをする」などと発作を起こす前から「広場恐怖」を感じて、不安と恐怖でいっぱいになり、家から出られなくなることも多いそうです。
やさしくて他人思い、神経質で不安が強い人が多い 「パニック障害になりやすい人は、神経質で繊細、もともと不安や恐怖心が強い人が多いです。また人の気持ちを先回りして、『こんなことをすると、他人に迷惑をかける』などと自分よりも他人を重視するやさしい人が多く、どうにもならなくなって、人との接触を避けて、対人恐怖やうつ病にることも多いのです」と貝谷医師は言います。 広場恐怖に見られる「逃げられない状況」「助けてもらえない状況」などへの恐怖は、患者さんを極端に依存的にして家族や親しい友人などを困らせたり、逆に依存的な関係の人以外との接触を避けるなど、社会的なコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。
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