長引く体調不良、性格の変化

長い間、強い不安感や恐怖心にさらされ続けると、その人本来が持っていた性格や行動パターンが失われて、攻撃的になったり、依存性が強くなったり、買い物やギャンブルなどに溺れてしまうことも。

仕事や勉強に打ち込むエネルギーが枯渇

 最初のパニック発作から半年から数年すると発作の回数は減りますが、広場恐怖や回避行動のために行動が制限され、職場や学校に行けずに、外出さえもままならなくなり、生活を楽しんだり、仕事や勉強に打ち込むエネルギーも枯渇します。

何となく調子が悪い状態から過食、過眠をともなう非定型うつへ

 激しい発作がおさまると、やがて微熱、動悸、胸の痛み、頭重感など、「何となく調子が悪い状態」が続き、やがてうつ病も併発するようになります。パニック障害の人が併発するうつ病は「非定型うつ病」と呼ばれ、普通のうつ病とは少し異なり、過食、過眠、感情過敏などがあらわれます。

非発作性愁訴とは?

非発作性愁訴は基本的にはパニック発作が穏やかに長く続く状態のことで、パニック発作の薬が不十分なときに生じることが多いので、服薬を規則正しく行うことで、症状は消えます。

非発作性愁訴の症状

熱感がある
血圧が上がり頭が膨れる感じ
胸がチクチクする
背中がピクンピクンする
脈が飛ぶ
動悸がする
視野がチカチカと揺れる
体全体にドクンドクンと脈をうつ
頭に何かが乗っている
胸が痛くなる
頭に血が上り、首や顔、特に眼が浮いてくる

パニック障害によって長い期間、不安や恐怖、ストレスにさらされ続け、心も体も安らぐ暇もなく、深く傷ついて疲れ果ててしまうと、患者さんが本来持っていた性格や思考・行動パターンに変化があらわれて、極端な行動をとるようになります。

怒り、依存、中毒、感情の起伏が激しくなる

 非定型うつ病を併発すると、「怒りの発作」があらわれる場合があります。発作によって神経が興奮しやすくなり、ちょっとしたことで大きな反応を起こし、怒りを爆発させてしまうことも。
 また、パニック発作を恐れて、常に誰かに助けてもらおう、見守ってもらおうという欲求が強くなり、特定の家族や友人に依存的になってしまいます。また、自他の区別がつきにくくなり、相手の気分に同調してしまう傾向が強くなります。
 さらに、強い恐怖心から逃れて、つかの間の満足感や高揚感で、不安を解消しようとして、アルコール、ギャンブル、インターネット、ゲーム、買い物、恋愛、などに熱中してしまう場合もあります。このような行動は、経済的な問題を引き起こし、カード破産、離婚、失職など、社会生活が普通に営めなくなり、生活崩壊など、深刻な状況に陥りかねません。

約6割がうつ病を併発

 パニック障害の人の約6割がうつ病を経験すると言われます。またどちらの病気にも同じ治療薬が使われるので、パニック障害とうつ病は近縁関係にある病気と言えます。

パニック発作がおさまり慢性期に移行すると、パニック障害の人が併発しやすい「非定型うつ病」という病気の症状があらわれます。特徴は、過食、過眠、感情過敏など。

怠け病ではない非定型うつ

非定型うつは普通のうつ病と異なり、食欲旺盛になったり、過眠になるので、一見すると気分屋で怠け者に誤解されることがあります。

パニック障害、うつ病になると、激しい不安感や恐怖心で、身体的にも精神的にも不健康な状態が続きます。それを忘れるために、お酒やギャンブル、恋愛などに溺れて、社会的にも経済的にも追い詰められてしまうことが多いようです。