ストレス講座 〜その7〜 五感の医学 早稲田大学人間科学部教授 21世紀は「こころの時代」あるいは「ストレスの時代」とも言われています。ストレスの多い現代社会の中で生活する人が、ストレス病に陥らず、心身の健康を維持し、あるいはストレスをバネとして心豊かな生活を送るためには、いろいろな工夫が必要です。ダイエットをしたり、スポーツをしたり、ジムに通って運動したりという人も多いでしょう。私事ですが、昨年末にモナコに行ってタラソテラピー(海洋療法)を体験してきました。海水を使ったジャクジー風呂や泥パックやマッサージなどで、007のボンドになった気分になり、実に何年ぶりかでリラックスした思い出が残っています。
食
見る
聞く
香り
触れる 以上、五感に働きかける療法について述べてきましたが、これらは機械化された現代社会の中で失われた人間性を回復するのに大変役に立つものです。ただし、多分に経験的なものが多く、実証に乏しいために近代科学からは置き去りにされてしまった感があります。これからは、こういう「癒し系」の療法について、経験論だけではなく、きちんとしたデータを積み重ね、本当に効果のあるものを提供して行くことも「心の科学」の大きな課題と言えます。
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