過換気症候群は、急に息が苦しくなって、動悸、頻脈、めまい、手足のしびれ、時にはけいれんや意識消失などの発作を繰り返すもので、ストレスや不安が関係しています。特定の病気というよりも、ある状態像を意味し、いろいろな病気が原因で過換気発作(過呼吸発作)をおこします。夜間、救急車で搬送される人の約30%が、この過換気発作によるものと言われています。発作自体は、30分〜60分程度で自然に軽快しますが、「死ぬのではないか」という不安の強い人では数時間続くこともあります。発症のメカニズムは、不安、恐怖、疼痛などがきっかけとなって、過剰換気(息をハーハーする)をしますと、血液中の二酸化炭素が呼気中に多く排出され、血液のpHがアルカリ性に傾きます。これを呼吸性アルカローシスと言います。この状態になりますと、上記のような症状が出現します。若い女性に多く、パニック障害でも過換気の発作を合併することがあります。
過換気症候群の治療 ケ セラ セラ<こころの季刊誌> |