10年前の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件の後、PTSD(外傷後ストレス障害)という言葉がマスコミで大きく取り上げられてすっかり有名になりました。それ以来、何か大きな事件や出来事・災害がおこるたびにPTSDが注目を集めるようになりました。PTSDとは、何か脅威的なあるいは破局的な出来事を経験した後、長く続く心身の病的反応で、その出来事の再体験(そのことをありありと思い出すフラッシュバックや苦痛をともなう悪夢)が特徴的です。また、自分自身が直接経験しなくても、周りの人が被害を受けたり、凄惨な現場を目撃したことが原因となる場合もあります。通常はショックな出来事を体験しても時間の経過とともに心身の反応は落ち着き記憶は薄れて行きますが、あまりにもショックが大きすぎる時や個人のストレスに対する過敏性が強い時、小児のように自我が未発達な段階では、大きな精神的障害を残すことがあります。 ケ セラ セラ<こころの季刊誌> |