前回は精神分析学を生み出したフロイトを取り上げました。今回は日本独自の精神療法森田療法を編み出した森田正馬を取り上げたいと思います。森田もフロイトと同様に若い頃パニック障害を有していました。自身のパニック障害を克服していく体験の中から、森田療法が生み出されていきます。世界を代表する精神療法家のフロイトと森田が、共にパニック障害であり、その障害を克服する中からそれぞれ精神分析療法、森田療法が生まれてきた事は大変興味深い事です。
森田は発作性神経質、すなわち現代においてはパニック障害の成因について、『神経質ノ本態及療法』(1928年)の中で次のように述べています。 ケ セラ セラ<こころの季刊誌> |