現在、世界で最も読まれている本「ハリー・ポッター」の著者J.K.ローリング(ジョアン.K.ローリング)には社会不安障害があった。社会不安障害のためひきこもりがちの生活となり、生活保護を受けながらの生活になってしまう。しかしひきこもったために、空想し続けることが可能となり、ある時一気に泉が溢れ出るように、それまでの人生経験と空想が混ざり合って「ハリー・ポッター」の物語が勝手に紡ぎ出てきて、著者は唯それを書きとめただけという。優れたファンタジーの創造はこのようにして生まれる事が多い。「モモ」の著者ミヒャエル・エンデも同様の事を語っていた。心の底、魂の次元から生まれてくるようだ。だからその物語は人の目には見えない魂の具現化でもある。善悪といった現世的な価値観に囚われることなく、生命のエネルギーのまま自由に動き回る事が出来る。それは魂の世界として真実であるために、人々の誰もが持つ魂に呼応する。読者はあっという間にそのファンタジーの世界に入り込み熱狂する。普段は眠っている魂が揺り動かされ、人々に強い感動を与える。現在第6巻が発行されているが世界的な大ベストセラーになっている。発売前日から多くの人々が1分でも早く読みたいがために徹夜で行列をなしている。それ程に魅力的な小説である。それを生み出した原動力が社会不安障害であった。 ケ セラ セラ<こころの季刊誌> |