抗不安薬について

 文字通り不安を和らげる薬である。ほとんどの抗不安薬は化学構造式にペンゾジアゼピン核を持っているのでペンゾジアゼピン系と呼ばれており、現在20種類以上の製品が市場に出回っている。
 ベンゾジアゼピン系の薬は抗不安作用以外にどの薬も多かれ少なかれ筋弛緩作用、鎮静催眠作用、麻酔増強作用、抗けいれん作用を持っている。
 パニック障害に使う薬は数あるベンゾジアゼピン系薬物のうちで特に抗不安作用が強いものである。だから、人によっては多少眠気を感じたり、筋肉がたるんで倦怠感を感ずる人がいるのじゃ。
 ペンゾジアゼピン系の薬の中で、筋弛緩作用の強いものは肩こりの薬として試用されているし、抗けいれん作用の強いものはてんかんの薬として使われている。そして、鎮静作用の強いものは、ハルシオン、レンドルミン、工バミール、ロヒプノールといった睡眠導入剤として使われている。パニックの薬を飲んでいると、歯科にいって麻酔がかかりやすいことも納得できるというものじゃ。

Que Sera Sera VOL.16 1999 SPRING