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パニック障害の再発は男女で違いがあるの?
今回は、パニック障害の再発の割合とそれが男女によって異なるかを調べた研究(Yonkers KA、et al, Am J Psychiatry 1998; 155:596)を紹介しよう。この研究では412人のパニック障害患者(そのうち、外出乗り物恐怖を持つものは男性75%、女性85%)が5年間追跡調査を受けた。
5年間の間に症状が完全になくなった患者は39%で男女間に違いはなかった。
そのうち53.4%は完全に治ってから3年以内に再発したが、その内訳は男性51%、女性82%で圧倒的に女性が多かった。
再発率を詳しく見ると、広場恐怖がない場合、男性39%、女性65%、広場恐怖があると男性47%、女性75%であった。?広場恐怖の有無に関係なく見ると男性43%、女性73%が再発した。
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このように、再発率は男性より女性の方が高いし、外出・乗り物恐怖があっても高くなる。
全体的に見ると、5年以上経っても約8割の患者はまだパニック障害が残っているといえる。
この結果を知ると多くの患者さんはがっくりするかもしれないが、現実をしっかり捕らえ、それに対処すればパニック障害は決して怖い病気ではない。
きちんと治療すれば、よい状態を保つことができるのある。
油断禁物!
Que Sera Sera VOL.23 2001 WINTER
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