体温計の使い方

 パニック障害の患者さんはあっちの具合が良くない、こっちの調子がおかしいといって体調を気にする人が多い。熱があるのではないかとすぐ体温を測る人が多いのではないだろうか。今回は体温計について話そう。まず人間さまは生き物であるから、いつも体温が一定であるとは限らないと言うことジャ。起床前早朝に最も低くなり、午後から高くなるという日内リズムが普通は認められる。また、食後や運動後には体温は多少とも上昇する。だから体温測定は常に同じ時間に行わないと意味がない。体温は個体差が大きいから自分の健康時の常温を知っておく必要がある。また、測定部位によっても体温は異なる。腋窩に比べて、口腔内では0.2〜0.4℃、直腸では0.4〜0.6℃程度高くなる。測定時間は、腋窩では10分、口腔内、直腸では5分を要する。体温が38.5℃以上になった時を高体温、35℃未満の時を低体温といい、病的と考える。体温計は実測式の電子体温計が正確で安全であろう。表に測定に関わる要因を示しておこう。

Que Sera Sera VOL.28 2002 SPRING