これは空海の言葉を集めた「性霊集(しょうりょうしゅう)」に収録されている一節で、「心暗きときは、すなわち遇うところことごとく禍なり」という言葉に続いている。現代語訳すれば「欲望やエゴで心が暗くなっているときは、外界のものすべてが悪く感じられる。心の眼が清らかであれば、見るもの聞くものすべてが宝となる、ということです。すなわち、自分本位をなくして、考え方受け取り方をかえれば、つらいことでも一つひとつが「心の栄養」になりますよといった教えです。 (中野東禅著 人生の問題がすっと解決する名僧の一言 三笠書房 より) Que Sera Sera VOL.59 2010 WINTER |
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