人皆己己(おのおの)得たる所一つあるものなり。
その所得をとりて、これを用うれば、すなわち人を捨てず(沢庵)

沢庵和尚は臨済宗の僧で、将軍家光に召されて東海寺を開いた。宮本武蔵の精神的な師ともされる。この言葉は、人の生き方や仏の教えなどが漢文混じりの和文で書かれた随筆集「東海夜話」にある一節である。この文は、「人は皆それぞれ長所がある。その生まれつき備わった長所を見きわめて生かしていったら、役に立たない人なんて一人もいない」となります。この沢庵の教えを子供たちに伝えなければなりません。わが子の長所を見きわめて生かすのは、親の使命なのです。

(中野東禅著 人生の問題がすっと解決する名僧の一言 三笠書房より)

Que Sera Sera VOL.66 2011 AUTUMN