パニック障害はポピュラ

　２年前のことです。買い物客で混みあうスーパ－のレジで１週間分の食料品を買い込んで並んでいました。そうしたら、急に頭の中でジェット機が飛ぶような凄い轟音がなり、同時にめまいに襲われました。頭から血の気が引き、いてもたってもいられない感じに襲われ、このまま死んでしまうと思いました。次の瞬間、心臓は高鳴り、息苦しくなってきました。丁度、そこに居合わせた近所の奥さんが救急車を呼んで病院に運んでくれました。病院についた頃は多少とも落ちつきを取り戻していました。そして、診察の結果どこも異常はなく、疲れですからゆっくり休んでください、といわれ家に帰されました。その日から私の辛い日々が今日まで続いています。それから、ス－パ－のレジでは決まって気分が悪くなり、そこへいくだけでイライラしたりドキドキしたりします。結局、この１年間はス－パ－へは主人が行ってくれています。一番困るのが学校へいけないことです。中学校と小学校の子供がいますが、もう長いこと懇談会に行っていません。人様の前で発作が起きたらどんな恥ずかしく迷惑をかけるかと思っただけで出席できません。元気なときは役員をして飛び回っていたのに、自分でも情けなくおもいます。子供のためにというより自分のために頑張ろうと思いますが、突然の不安や動悸には勝てません。パニック障害は、約１００人に１人の割合でみられるとても多い病気です。パニック障害の中心症状はパニック発作です。

　パニック発作はある限定した時間内に激しい恐怖感や不安感とともに次に示すような症状のうち４つ以上が突然出現し、１０分以内にピ－クに達する状態です。

	心臓がドキドキする
	汗をかく
	身体や手足の震え
	呼吸が早くなる、息苦しい
	息が詰まる
	胸の痛みまたは不快感
	吐き気、腹部のいやな感じ
	めまい、頭が軽くなる、ふらつき
	非現実感、自分が自分でない感じ
	常軌を逸する、狂うという心配
	死ぬのではないかと恐れる
	しびれやうずき感
	寒気または、ほてり

	発作は誘因なく突然はじまり、繰り返す
	中心症状は激しい不安
	また発作が来るという不安（予期不安）
	発作を説明できる臨床検査所見がない

	うつ病…何もしたくない　　　　興味がない　　　　気分が落ちこむ
	外出・乗り物恐怖症…狭いところ、　　　　　　　　　　人混みに出られない

　心がけが悪いとか、気持ちの持ち方がよくないというのは間違い。身体の内側からやってくる体質的な内因性不安が原因です。

　「不安神経症」「心臓神経症」「自律神経失調症」ではなく「パニック障害」という診断をはっきりしてくれる医師のもとで治療を受ける。病気に対する考え方がまるっきり違っているから。パニック発作とうつ状態はくすりで完全におさまる。頑固な恐怖症は「行動療法」の対象となる。