パニック障害の残遺症状
発作症状は時間と共に持続的な残遺症状−「自律神経失調症」「心気症」「離人症」−に変化する パニック発作がそれほど激しくなく長期間治療されずに放置された場合や、治療が不十分であるときには、突発的に症状が出現することは段々少なくなり、その代わりに発作症状の中心的症状が2〜3持続的に出現するようになります。このような症状をパニック発作の残遺症状と呼んでいますが、この残遺症状はいつのまにか現れて気がつかないうちに消えていきます。この残遺症状は発作症状より軽いのですが、1日のうちでかなりの時間、持続的に起こるため、たいへん不快なものです。 パニック発作の残遺症状はどんな症状か?
パニック発作の残遺症状の治療法は? まず、パニック障害に詳しい医師を捜し求めることです。そしてパニック障害の診断がなされれば、治療はパニック障害の治療と全く同じです。病気が初期であれば薬物療法でほぼ100%症状は消える。 ”自律神経失調症”を4年間患った主婦 Bさんは44歳の主婦です。小さい頃から虚弱でしたが、大病をしたことはありません。若い頃から胃下垂といわれ医者通いは欠かしたことがありませんでした。4年ほど前から外出すると喉を絞めつけられる感じ、頭頂部の熱感、吐き気がありました。また、家にいても時には持続的に喉がポ−ンとピンポン玉が詰まった感じがあったり、身体が冷たくなって身震いすることもありました。身体の不調のため遠出したことはありません。買い物は近くで必要なものだけを買い、用を足していました。このような状態でここ数年間は家で好きな絵をかいたり、体調が悪くなると寝込むという日々が続いていました。かかりつけ医からは自律神経失調症でしょうといわれ軽い安定剤をもらっていました。そのBさんが夫に付き添われ受診してきました。問診で39歳の時はっきりしたパニック発作が1回だけあったことが明らかになりました。その発作は、眼前暗黒感、頭頂部の熱感、喉を絞めつけられる感じ、激しい不安感、気が遠くなっていく感じ等でした。このような発作は1度だけで、その後は前に述べたような状態が続いたということです。Bさんの病気はパニック障害の診断のもとに治療は順調に進み、数カ月後には症状はほぼ消失し、婦人会の泊まりがけの旅行にも出かけることができるようになった。 文責 医療法人
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