インターネットによる医師教育 貝谷
久宣 要 旨:このシンポジウムでは私たちの研究会が昨年始めた「不安・抑うつフォーラム http:// www.anxietydepressionforum.gr.jp/」について紹介する。これは不安・抑うつ障害の治療に関する知識と技術の向上を目標とする。フォーラムの内容:Expert Connectionsでは診断・治療に関わる臨床的な種々な質問に専門医が回答する。回答は原則としてevidence-based medicineを基礎とする。各分野の専門家が約20名リストアップされている。Abstracts of just-arrived Journalsは、毎月到着する国際誌から担当者が不安障害または抑うつ障害についての臨床に役立つと考える論文を到着後1週間以内に抄訳してサイトに送ると自動的にアップされる。 Psychopharmacological Dataは薬物治療に必要な図表や記録が参照できる。Opinion Plazaはサイトヘの参加者の議論の場である。Topicsは新しい治療法や新薬の紹介などからなる。このサイトヘの参加は医師およびパラメディカルに限られ、パスワードが必要である。このサイトの出現は情報の伝達の速度を早くし、コミュニケーションが介在者なしですべて直接に進行することである。 Continuous Medical Education Through Internet Hisanobu Kaiya Abstract:The advent of the internet is leading to a great revolution in the medical field. The use of the internet in this field has spread so much in the United States that many medical associations give credit for home learning through the internet. In this Symposium we introduced the website "Anxiety Depression Forum", which has been functioning from last year. The website is aiming for the state of the art in clinical treatments of affective and anxiety disorders. The content of the Forum includes the following: In Expert Connections, all kinds of questions in clinical treatments are answered along with evidence-based medicine by over 20 experts. In Abstract of Just-Arrived Journals users can reach the most recent informations from first-class international journals in this field. In Psychopharmacological Data clinicians can review the practical data about psychotrophic drugs in clinical use. In Opinion Plaza doctors can exchange their opinion freely. In Topics subscribers can become familiar with new treatments and hypothese. For access into the Forum, a password is needed which confirms medical and paramedical users. In conclusion, the emergence of the Forum accelerates rapid and direct communication and contributes to progress in clinical treatments. http://www.anxietydepressionforum.gr.jp/ インターネットの普及は医学と医療の分野でも大きな変革を引き起こそうとしている。米国においてはすでに多くの学会の専門医や認定医の生涯教育にインターネットが使用され,自宅学習で一定の点数が修得できるシステムができあがっている。このシンポジウムでは不安・抑うつ臨床研究会が昨年始めた「不安・抑うつフォーラム」http://www.anxietydepressionforum.gr.jp/ について紹介する。 現在このサイトの経費は主に複数の製薬企業からの資金援助によっている。そのため、内容の公平性には充分な考慮を払っている。また、単一の企業だけとの関係を断ち、できるだけ多くの企業の援助を仰ぐよう努力している。 アクセス数の増加に対しては内容を豊富にすること、自由闊達な意見をとり入れる体制をとっている。 このようなサイトが将来、関連学会の専門医を保持していくための卒後研修の資料となり、このサイトの中でテストを受け、一定の点数が得られるよう活用されることが望まれる。 |