「不安障害もっと知って」学会設立
29日に講座 元患者の経験談も
2009年3月20日(金)朝日新聞掲載
日本人の10人に1人に症状が潜んでいるとも言われる不安障害。あまり知られていないが、社会生活に支障が出ているケースも多いとされる。こうした現状をふまえ、診療に携わる医師らが「日本不安障害学会」を設立した。29日には、東京都内で市民向けに公開講座を開く。
不安障害には、はっきりした理由がないのに、このまま死んでしまうのではないかと動悸などが生じる「パニック障害」、人前で極度の緊張状態になる「社会不安障害」などがある。
学会長の貝谷久宣・医療法人和楽会理事長によると、性格上の問題などと扱われ、これまで精神科や心療内科のなかでも研究対象とされてこなかった。だが最近は、うつ病などに使われるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)などの薬物療法が広がった。考え方のくせに気づき、治療していく認知療法の効果も認められるようになってきたという。
貝谷さんは「知識を普及させ、医療レベルの向上につなげたい」という。
公開講座「不安障害からの脱出」は29日午後1時から、早稲田大学国際会議場(早稲田駅、高田馬場駅)。患者を経験した人たちが回復までの道のりを語る。無料。詳細はウェブサイト(
http://www.fuanclinic.com/lect_h/lect_15.htm
)。
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