図12 |
症例2 28歳,女性。 <主訴> 人混み,レストランなどに行くと動悸,吐き気などがして出かけられない。 <遺伝負因> 母親が情緒不安定のため精神科入院歴あり,現在通院中(診断名不明)。 <生活歴> 昔気質の父,神経質な母の一人娘として中国地方に出生。元来強迫的で爆発性の性格。外出時にガス栓について確認癖が認められた時期があった(24歳時)、K大卒後,家事手伝い,X-4年に結婚し,専業主婦。X-2年11月に上京。友人とも離れ,寂しい思いをしていた。 <病歴> X-1年5月頃より「胃がむかむかする」といった主訴でN総合病院,内科を受診。諸検査で異常なく, etizolam を処方されるが,症状に変化は認められなかった。3月に自動車で旅行に出かけた際に,乗り物酔いにあい,次第に外出をしたがらなくなる。同じ頃,混んでいたデパートで動悸,叶き気,呼吸困難状態となり,救急車でN総合病院に搬送され,パニック障害と診断される。その後,人混みやレストランなどに出かけると動悸がするようになり,美容院にも出かけられなくなり,X年1月にN駅前クリニックを受診した。 |