ケセラセラ15周年記念に寄せて
国立精神・神経センター総長 樋口
輝彦
貝谷先生、「ケセラセラ」10周年おめでとうございます。
パニック障害の専門クリニックは多分、日本初ではないかと思いますが、今やパニックと言えば赤坂クリニック、赤坂クリニックと言えばパニック障害と言われるようになり、多くのパニック障害に悩む患者に治療の光明を与えてこられました。
先生は精神科医として、薬物療法と認知行動療法を駆使してパニック障害の治療に取り組んでこられました。更に、最近では「瞑想」「座禅」「ヨガ」など東洋の思想や仏教への関心が深まり、これら東洋的なものは貝谷先生の中で消化され、そこから新たな治療のヒントを得られているようです。
最近の先生にはかつてのようなギラギラとした野心は見られなくなりましたが、逆に悟りを開いた僧侶の趣を感じます。ウナギに喩えるならば、関西風蒲焼から関東風の蒲焼に変わったような違いでしようか?
これからも「ケセラセラ」のマインドで多くのパニックに悩む患者を癒してあげてください。
ケ セラ セラ<こころの季刊誌>
VOL.60 2010 SPRING
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