東京認知行動療法アカデミー

第8回ワークショップ京都

このたび、東京認知行動療法アカデミーでは、第8回ワークショップを京都の花園大学(教堂)にて開催させていただくことになりました。本アカデミーのワークショップはこれまで東京のみの開催でしたが、今回初めて関西で開きます。認知行動療法の第一人者が講師をつとめ、実践的なワークショップ形式あるいは講義形式でおこなわれます。ベテランの先生から初心者の皆様まで、1人でも多くの方に参加いただけることを願っております。

期日: 2008年1月27日 (日)
会場: 花園大学「教堂」(〒604-8456 京都市中京区西ノ京壺ノ内町8-1)
教堂への行き方:こちらをご覧ください。

多数のお申込をいただきまして誠に有難うございました。
事前登録は1/24(木)をもって終了させていただきました。
下記の講座につきましては当日も受付致しますので、直接会場へお越し下さい。
受付時間は開始30分前より各会場前で行います。

<当日受付可能な講座>
1 11:00~12:30 鈴木伸一 「うつ病の集団認知行動療法」(講義形式)
2 13:30~16:30 神村栄一  「児童期・思春期の不安関連障害への認知行動療法」(ワークショップ形式)
3 17:00~18:30 久保木富房 「心身症・不安障害・気分障害と認知行動療法」(講義形式)

番号 時間 形式 講師 講義タイトル
1 11:00-12:30 講義 鈴木伸一 うつ病の集団認知行動療法
2 13:30-16:30 ワークショップ 神村栄一 児童期・思春期の不安関連障害への認知行動療法
3 17:00-18:30 講義 久保木富房 心身症・不安障害・気分障害と認知行動療法

開始時間と終了時間がそれぞれ異なっております。ご注意ください。

  • 受講できるのは、原則として、医師、臨床心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、薬剤師、教員免許、学校心理士、産業カウンセラーの資格を持つ方か、心理学系の学部を卒業された方、心理系の大学院に在学中か修了された方です。(ご要望に応えて、受講資格を拡大いたしました)
  • 受講料は1科目ごとに1万円です。
  • 各科目とも先着順に受け付け、定員に達した場合は〆切とさせていただきます。
  • 参加された方には、1科目ごとに、研修証明書を発行いたします。
  • 計8科目履修した方には「研修受講証明書(初級)」を発行いたします。
    計16科目履修した方には「研修受講証明書(中級)」を発行いたします。
    計24科目履修した方には「研修受講証明書(上級)」を発行いたします。

講師略歴

鈴木伸一

鈴木伸一

早稲田大学人間科学学術院 准教授 博士(人間科学)

略歴:
1992年3月 早稲田大学人間科学部 卒業 
1995年7月 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所 心理士
1996年4月 足立医療生活協同組合綾瀬駅前診療所心療内科 心理士
2000年3月 早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程 修了 
     博士(人間科学)取得  
2000年4月 岡山県立大学保健福祉学部 講師
2003年4月 広島大学大学院心理臨床教育研究センター 助教授
2007年4月 早稲田大学人間科学学術院 准教授(現職)

所属学会等:
日本行動療法学会理事(機関誌副編集委員長)、日本行動療法士会幹事、日本行動医学会(教育研修委員長)、日本循環器心身医学会理事、日本ストレス学会評議委員など

主な著書・訳書:
実践家のための認知行動療法テクニックガイド(北大路書房)、慢性うつ病の精神療法:CBASPの理論と技法(医学書院)、学校、職場、地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル(北大路書房)、ストレス対処の心理・生理的反応に及ぼす影響に関する研究(風間書房)

ワークショップ概要
「うつ病の集団認知行動療法」
うつ病に対する認知行動療法は、再発予防や社会復帰支援に効果的であることがこれまで示されている。しかし、わが国においては、患者の認知行動療法のへの期待感は高まっているが、日常診療において認知行動療法を実施する十分な時間が確保できない、認知行動療法の実践家が不足しているなどの理由から、認知行動療法がうつ病の治療およびリハビリテーションに十分に活用されていない現状がる。このような問題点を解決する有効な一手段として、集団療法による認知行動療法の展開が期待されている。
本ワークショップでは、うつ病の集団認知行動療法のプログラム構成を紹介するとともに、スタッフ間の連携やドロップ愛とを防止するための工夫点などを解説する。
推薦文献、参考文献:
「実践家のための認知行動療法テクニックガイド」 北大路書房
「慢性うつ病の精神療法」 医学書院
「学校,職場,地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル」,北大路書房
定員
100名程度
これまでの他ワークショップでの講師歴
第2回ワークショップ 認知修正技法
第6回ワークショップ 認知再構成法

神村栄一 顔写真

神村栄一

新潟大学人文社会・教育科学系(教育人間科学部) 准教授 
1963年、福島県生
E-Mail kamimura#ed.niigata-u.ac.jp (#を@へ)

略歴:
1991.3筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位取得満期退学
1994.3博士(心理学)(筑波大学)
早稲田大学人間科学部助手(1991.4~1994.3)
新潟大学人文学部助教授(1995.4~2002.3)
新潟大学教育人間科学部助教授(2002.3~)

所属学会等:
専門
 臨床心理学(認知行動療法)・教育心理学(学校不適応の理解と対応)
学会活動
 日本行動療法学会(理事)
 日本認知療法学会(幹事)
 日本自律訓練学会(評議員)
 その他、日本カウンセリング学会、日本健康心理学会、日本心理学会、日本教育心理学会、日本心理臨床学会(すべて正会員)
学会賞の受賞
 日本行動療法学会内山記念賞 1992年
 日本カウンセリング学会奨励賞 1993年
資格
 臨床心理士、専門行動療法士

主な著書・訳書:
2005 実践家のための認知行動療法テクニックガイド、鈴木伸一・神村栄一・坂野雄二(共著)、北大路書房
2005 認知行動療法の基礎理論:認知療法、神村栄一(単著)、こころの科学、121号、日本評論社
1996 ストレス対処の個人差に関する臨床心理学的研究,単著,風間書房.
主たる翻訳
2004 認知療法実践ガイド基礎から応用まで―ジュディス・ベックの認知療法テキスト、Judith S. Beck(著)、伊藤絵美・神村栄一・藤沢大介、星和書店
1992 うつ病の認知療法、Aaron, T.Beck他著、坂野雄二・神村栄一・前田基成、清水 里美、岩崎学術出版社

ワークショップ概要
「児童期・思春期の不安関連障害への認知行動療法」
児童期・思春期(青年期前半、中・高校生、20前後まで)の不安の問題に対する認知行動療法(CBT)を基盤とした心理的援助について、できるだけ事例として解説する。スクールカウンセリング・教育相談活動(教育相談・教師や保護者へのコンサルテーション)という文脈での紹介が多くなる予定である。
さて、援助対象の違いにかかわらず、CBT援助の基本は、情報の収集・分析と動機づけの工夫である。より具体的に言えば、(1)「援助対象をその生活において詳細にアセスメントする」ため、共同実証主義的関係を形成した上で症状や問題を対象化する、(2)問題・症状、および提供する援助方法について心理教育をすすめる、(3)事例の定式化(ケースフォーミュレーション、いわゆる見立て)によって援助活動の混乱・拡散を防ぐ、(4)無理のない介入仮説を構築しその検証を繰り返すことで援助をすすめてゆく。そして、これらプロセスのいたるところにおいて、動機づけへの配慮が重要となる。つまり、動機づけが高まるように、関係形成し、アセスメントを行い、事例を体系的に理解し、介入を工夫するのがCBTである。ご注意頂きたいことは、特定のツールや心理的技術を導入すればCBTになる、というわけではないことである。
 扱う問題や症状は、児童期の恐怖症、分離不安障害、不登校から、中学生以降の強迫性障害、社会不安障害、引きこもり(うつや発達障害、軽度の統合失調が疑われる事例などを含む)、などをとりあげる。「クライエントの改善意欲・問題意識の低さや不明確さを言い訳にしないCBTセラピスト」が目標である(とても難しいことであるが)。当然ながら、理路整然としたスマートな解説で終始することはあり得ないのでご覚悟・ご容赦いただきたい。なお、簡単な介入事例の発表をいただける方は、参加申し込みと同時に上記のアドレスへ問い合わせいただければ有り難い。
推薦文献、参考文献:
(いわゆる行動療法技法も含むCBT用語の基礎について不慣れな方はもちろん、そうでない方も、できれば、下記図書で「予習」の上参加いただけるとありがたい)
2005 「実践家のための認知行動療法テクニックガイド」、鈴木伸一・神村栄一・坂野雄二(共著)、北大路書房
対象
児童期・思春期の治療・援助の経験を(1事例でも結構ですから)お持ちの方であること。CBT介入・支援の経験は無くともかまわない。
定員
50名程度
これまでの他ワークショップでの講師歴
2007 心理学医学諸学会連合ワークショップ
2005-07 日本認知療法学会研修会
2003-07 横浜心理相談センターCBTワークショップ
2006 東京認知行動療法アカデミー
上記のほか、日本健康心理学会、日本産業カウンセラー協会、全国学生相談学会研修会、教師カウンセラー協会、社会医療福祉学会、各地市民講座、医療機関や本務以外の大学相談室主催の研修会、教師カウンセラー協会、新潟市教育相談センター主催研修会、家庭裁判所、保護観察所などで講師・スーパーバイザーを担当。

久保木富房

久保木富房

東京大学名誉教授
医療法人秀峰会 楽山病院長、
早稲田大学 先端科学・健康医療 融合研究機構 客員教授

略歴:
1973年 東京大学医学部卒
1996年 東京大学教授(心療内科)
2005年 東京大学名誉教授、早稲田大学客員教授、医療法人秀峰会 楽山 病院長、 現在に至る。

所属学会等:
日本心身医学会理事、日本心療内科学会理事、日本交流分析学会理事、日本行動療法学会理事、日本うつ病学会理事、日本認知療法学会理事
「心療内科」編集委員長
1990、1993年 世界保健機関(WHO)研究委員
2005年 第18回世界心身医学会(WCPM)組織委員長
2006年 第47回日本心身医学会 会長

主な著書・訳書:
「抗不安薬の選び方と使い方」(新興医学出版社)、「Bulimiaの臨床」(三輪書店)、「心療内科」(星和書店)、「リラクゼーション反応」(星和書店)など他多数

ワークショップ概要
「心身症・不安障害・気分障害と認知行動療法」
まずはじめにストレッサーとストレス反応について述べる。
われわれは過剰なストレスを受けると心身の不調をきたし、頭痛、潰瘍、高血圧などの身体反応(心身症)、不安やイライラ、抗うつなどの心理反応、さらに飲酒量増加、摂食行動異常(不食・過食)などの行動反応の3つを呈す。
従来から研究されてきたストレスの評価法、IHD(虚血性心疾患)のリスクファクターに触れ、パニック障害における集団認知行動療法前後のPET画像の変化を示し、認知行動療法の効果を中枢神経の活動変化として示す。
さらに最近の気分障害(うつ病)の研究と臨床的問題を呈示し、薬物療法と認知行動療法の関係を説明する。
なお、最後には今後の臨床の場で必要とされている認知行動療法の問題点と具体的提案を示し、audienceの皆様のご意見をいただきたいと考えている。
定員
100名
これまでの他ワークショップでの講師歴
「精神医学研修コース4:パニック障害の認知行動療法」、第101回日本精神神経学会総会 大宮「パニック障害の認知療法(研修会)」 第5回認知療法学会、名古屋
「パニック障害の認知行動療法(研修会)」 第6回認知療法学会、東京(駒場)
「パニック障害の集団認知行動療法(研修会)」 第2回東京認知行動療法アカデミー・ワークショップ、東京(東邦大学医学部)  
「ロールプレイ中心で学ぶパニック障害の集団認知行動療法」第7回認知療法学会、東京(品川区立総合区民会館「きゅりあん」)