東京認知行動療法アカデミー

第13回ワークショップ

期日: 2009年 3月29日(日)
会場: 早稲田国際会議場
〒169-0051東京都新宿区西早稲田1-20-14
早稲田国際会議場 地図

多数のお申込をいただきまして誠に有難うございました。
事前登録は3/28(土)をもって終了させていただきました。
下記の講座につきましては当日も受付致しますので、直接会場へお越し下さい。
受付時間は開始30分前より各会場前で行います。

<当日受付可能な講座>
1 09:30~12:30 Jonathan Davidson 社交不安障害:その原因と有病率,治療
2 09:30~12:30 Young Hee Choi 治療効果の現れにくいパニック障害患者の対処法について
この2つのワークショップには逐次通訳が入ります。

時限 第1会場 第2会場
番号 講師 番号 講師
第1時限 Jonathan Davidson Young Hee Choi
第2時限 伊藤絵美 遊佐安一郎
高橋規子
番号 時間 形式   講師 講義タイトル
1 09:30~12:30 講義 [テーマ]
『不安障害』
Jonathan Davidson
(デューク大学メディカルセンター名誉教授)
社交不安障害:その原因と有病率,治療
2 09:30~12:30 講義とWS Young Hee Choi
(インジェ大学校ペク病院)
治療効果の現れにくいパニック障害患者の対処法について
3 13:00~19:30 ワークショップ 通常ワークショップ 伊藤絵美
(洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 所長)
導入,構造化,アセスメントの実践的トレーニング
4 13:00~19:30 ワークショップ 遊佐安一郎
(長谷川病院クリニカル・コーディネーター兼リハビリテーション部長、長谷川精神医療教育研究所所長、国際基督教大学非常勤講師)
高橋規子
(心理技術研究所 所長)
認知行動療法集中トレーニング(2回目)

開始時間と終了時間がそれぞれ異なっております。ご注意ください。

伊藤先生、遊佐先生・高橋先生のワークショップは2科目分の時間となりますので、
受講料が2万円となります。ご注意ください。

  • 受講できるのは、原則として、医師、臨床心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、薬剤師、教員免許、学校心理士、産業カウンセラーの資格を持つ方か、心理学系の学部を卒業された方、心理系の大学院に在学中か修了された方です。
  • 受講料は1科目ごとに1万円です。
  • 各科目とも先着順に受け付け、定員に達した場合は〆切とさせていただきます。
  • 参加された方には、1科目ごとに、研修証明書を発行いたします。
  • 計8科目履修した方には「研修受講証明書(初級)」を発行いたします。
    計16科目履修した方には「研修受講証明書(中級)」を発行いたします。
    計24科目履修した方には「研修受講証明書(上級)」を発行いたします。
  • ホームページよりお申込後、7日以内(土日祝日除く)に受講料をお振込みください。お振込み確認後、受講票をメールにてお送りいたします。
    お振込みが確認できない場合、ワークショップ当日、お席のご用意ができない可能性がございます。
  • キャンセルされる場合は、ワークショップ開催の1週間前までに運営事務局までご連絡をお願いいたします。1週間前以降にキャンセルされる場合は返金できませんのでご了承ください。

講師略歴

Jonathan Davidson 顔写真

Jonathan Davidson

2008 デューク大学医療センター 精神科・行動科学講座 名誉教授
1994~2008 デューク大学医療センター,ノースカロライナ州ダーハム 精神科・行動科学講座 名誉教授
1987~2006 デューク大学医療センター,ノースカロライナ州ダーハム 不安・トラウマ性ストレスプログラム長

ワークショップ概要
「社交不安障害:その原因と有病率,治療」
このワークショップの目的は社交不安障害(Social Anxiety Disorder, SADまたは社会恐怖)の特徴とタイプ分けについて調べることと,原因となる要因のいくつかと神経生物学についてレビューすることである。SADによる社会的重荷と一般の認知が低いこととその理由についても情報を提供する。
SADに対する治療的アプローチには様々な薬剤と心理社会的な治療とがある。薬物療法に関しては,次の種類の抗うつ薬が有益である。SSRIとSNRI,MAO阻害剤である。三環系抗うつ薬のような他の抗うつ薬の有用性はより低い。他の薬物群としては,ベンゾジアゼピンや,アルファ-2デルタ カルシウムチャンネル調節タンパクと抗精神病薬がある。パフォーマンスタイプ(非全般型)のSADには,ベータ遮断剤が役立つことがある。SADの場合,治療に対する反応は部分的なものに限られることが一般的である。従って,薬物の組み合わせが必要になる。心理社会的な治療は有効である。集団療法と個人療法の形式で行うことができる。
これらの治療の全てについて研究を紹介し,さらに薬物と認知行動療法,両者の併用療法について比較を行う。
このワークショップには逐次通訳がつきます。
推薦文献、参考文献:
Heimberg RG, Liebowitz MR, Hope DA, Schneier FR. Social Phobia. The Guilford Press. 1995.( 版は古いが,SA研究のパイオニアによる優れた教科書として今日でも必読書である)
Stein MB, Walker JR. Triumph Over Shyness. McGraw Hill. 2001. (2009年に新版がでる予定). 素人向けの優れたガイドブック.
Rothbaum BO (Ed). Pathological Anxiety. The Guilford Press, 2006. (全ての不安障害を網羅しているが,SADについても相当なページを費やしている).
定員
50名

Young Hee Choi, M.D., Ph.D. 顔写真

Young Hee Choi, M.D., Ph.D.

Director, Mettaa Institute of Cognitive Behavior Therapy, Seoul, South Korea
Clinical Professor of Psychiatry, Paik Hospital of Inje University
Affiliated Professor of Department of Mind-Body Healing Education, University of Buddhism
Fellow of ACT (Academy of Cognitive therapy)
Founding Member of ISST (International Society of Schema Therapy)

ワークショップ概要
「治療効果の現れにくいパニック障害患者の対処法について」
パニック患者の薬物治療後、治療経過の良好な患者は場合によりさまざまであるが、統計的には30%~45%である。CBTと薬物療法を組み合わせると70%前後になる。薬物治療、あるいはCBTで期待される効果が見られない患者、再発を繰り返す患者には、これ以外の心理療法が必要である。治療効果の現れにくいパニック障害は、他の症状を併発している可能性が非常に高い。よく見られる症状で考慮を要するものとしては、自殺念慮、薬物常用、うつ病を含む不安障害、人格障害、さまざまな個人的、社会的、職業上の困難があげられる。そこで、演者はスキーマ療法とマインドフルネスの心理療法に基づくアプローチを用い、治療効果の現れにくいパニック患者への対処法について説明する。最近の調査では、3年間のSFT療法(Schema -focused therapy)の方がTFP(Transference-focused therapy)より、境界人格障害、特殊ないし一般的心理病理学的機能障害の症状軽減のためのあらゆる治療法、QOLの向上のためのSFT/TFPに効果的であるとのことである。マインドフルネス瞑想法(Mindfulness meditation)は、パニック障害のもうひとつの治療法である。この治療法は、グループ形式で行なうもので、精神集中とリラックスの要素を組み合わせている。
当日はSchema TherapyとMBSR(マインドフルネス・ストレス低減法プログラム)の、治療効果の現れにくいパニック障害への適用の情報を得るでしょう。
Key Words: Treatment-resistant panic disorder, CBT, Schema Therapy, Mindfulness
このワークショップには逐次通訳がつきます。
定員
50名

伊藤絵美 顔写真

伊藤絵美

洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 所長
文京学院大学大学院 人間学研究科 非常勤講師

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科 心理学専攻卒業
同大学大学院 社会学研究科 社会学専攻 博士課程満期退学
博士(社会学)
臨床心理士・精神保健福祉士

著書・訳書
認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ(星和書店)/認知療法・認知行動療法 面接の実際(星和書店)/認知療法実践ガイド(共訳)(星和書店)/抑うつの臨床心理学(分担執筆)(東京大学出版会)/認知療法全技法ガイド(共訳)(星和書店)/強迫性障害治療ハンドブック(分担執筆)(金剛出版)/認知療法ケースブック(分担執筆)(星和書店)/『認知療法実践ガイド:困難事例編』(共訳,星和書店)/ 『認知行動療法,べてる式。』(共著,医学書院)/『事例で学ぶ認知行動療法』(誠信書房)/『スキーマ療法』(監訳)(金剛出版)/『認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成』(監訳)(星和書店)など。

所属学会
日本認知療法学会(幹事)/日本ストレス学会(評議員)/日本心理臨床学会/日本健康心理学会/日本心理学会/日本カウンセリング学会

ワークショップ概要
「導入,構造化,アセスメントの実践的トレーニング」
認知行動療法を導入する際の心理教育の仕方,
全体の構造化およびセッションの構造化のやり方,
認知行動療法の基本モデルを用いてアセスメントをするための対話や
ツールの用い方について,ワークを交えて実践的に学んでいただきます。
推薦文献、参考文献:
『認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ』
(伊藤絵美,2005年,星和書店)(書籍もしくはDVD)
『認知療法実践ガイド』
(ジュディス・ベック著,伊藤絵美・神村栄一・藤澤大介 訳,2004年,星和書店)
『事例で学ぶ認知行動療法』(誠信書房)
『認知行動療法における事例定式化と治療デザインの作成』(監訳)(星和書店)
対象
初中級レベル
※ ただし、伊藤先生が担当した初級ワークショップに該当するワークショップを
受けたことのある方、もしくは事前に『認知療法・認知行動療法カウンセリング
初級ワークショップ』 (伊藤絵美,2005年,星和書店)(書籍もしくはDVD)を
観るか、読むか、していただける方
定員
50名
これまでの他ワークショップでの講師歴
  • 第5回認知療法研修会,第6回認知療法研修会,第7回認知療法研修会,第8回認知療法研修会,第9回認知療法研修会にて「カウンセリングに活かす認知行動療法の基礎」「問題解決療法」「アセスメントの徹底練習」を担当。
  • 「カウンセリングに活かす認知行動療法の基礎」「問題解決療法」「アセスメントの徹底練習」を担当。2004年~現在,洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの主催するワークショップにて講師担当。「初級ワークショップ」「事例検討ワークショップ」「アセスメント」「認知再構成法」など。
    全45回(2009年1月時点)。
  • その他外部機関が主催する多数のワークショップにて講師を担当している。
    (CBTをテーマとしたワークショップについては70回以上)

遊佐 安一郎

遊佐 安一郎

長谷川病院クリニカル・コーディネーター兼リハビリテーション部長、長谷川精神医療教育研究所所長、国際基督教大学非常勤講師

1947年 福島県生まれ
1970年 上智大学英語学科卒業。国際基督教大学院教育心理学科に一時在籍後、ニューヨーク州立大学オールバニー校留学。
1977年 教育学博士号取得、Syracuse Developmental Center, Pilgrim Psychiatric Center, Kings Park Psychiatric Center等でPsychologistとして勤務
1990年 South Beach Psychiatric CenterでChief of Service として精神科病院での臨床管理に従事
1996年より長谷川病院クリ二カル・コーディネーター兼リハビリテーション部長
2003年より国際基督教大学非常勤講師
2005年-2007年 東京大学客員教授

著訳書:
「援助技法の実際 精神科リハビリテーション」(星和書店)、「家族療法入門」(星和書店)、「認知療法入門」(星和書店)、「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」(星和書店)、「別れからの再出発 見捨てられ傷ついた心をいやす5つのステップ」(星和書店)、「家族のための精神分裂病入門」(星和書店)他

所属学会役員:
日本認知療法学会幹事、日本家族研究家族療法学会評議員、心理教育・家族教室ネットワーク運営委員、日本家族カウンセリング協会顧問、日本精神神経学会・日本精神障害者リハビリテーション学会・American Psychological Association会員


 

高橋規子

1995年より家族相談室心理技術研究所を開業、現職

著書(共著)
「システム論から見た学校臨床」2000 金剛出版
「システム論から見た思春期・青年期の困難事例」2000 金剛出版
「ナラティヴ・セラピー入門」2001 金剛出版
「セラピストの物語/物語のセラピスト」2003 日本評論社
「家族療法のヒント」2006 金剛出版

ワークショップ講師歴
家族療法、システムズアプローチ、神経言語プログラミ
ング、ヘルピングスキルなど多数

ワークショップ概要
「認知行動療法集中トレーニング」
 この集中トレーニングでは、認知行動療法の実践に利用価値のある面接の基礎を、講義とロールプレイを用いての体験学習を組み合わせて行います。このプログラムは1月11日、3月29日、そして7月5日の3回の集中トレーニングを通して、参加者が認知行動療法の面接スキル基礎と、面接スキルを向上させる方法を学習することを目標としています。
認知行動療法は臨床的に必要な「変化」を効果的に促進する治療法です。しかし、クライエントは必ずしも認知行動療法が自分にとって必要だと考えずに治療に臨むこともありますし、治療の経過で期待した効果が得られないと治療に懐疑的になることもあります。そのような状況を乗り越えて治療効果を挙げるために、クライエントとの協働的関係性が重要だと考えられます。協働的関係性の構築と維持のために面接のスキルは大切です。
この研修では、米国メリーランド大学教授のClara Hillの構築した面接スキルの訓練システムであるヘルピングスキル(Helping Skills)の三段階モデルを応用して、クライエントの必要としている変化のための認知行動的介入と、協働的関係性のための面接技法のバランスを取るためのトレーニングを3日に分けて行います。参加者全員がロールプレイを用いた面接体験をできるだけ多く経験して、面接スキルを頭だけでなく、体で身に着け始めるために、1回6時間の研修を3回積み重ねます。
1月11日
第一回目は「ヘルピングスキル」の紹介を通して認知行動療法での協働的関係性の構築の練習に焦点を当てます
3月29日
第二回目は認知行動療法へのオリエンテーションがついていないクライエントへの ソーシャライズ(導入)の練習に焦点を当てます
7月5日
第三回目は参加者の興味のあるテーマ、または困っている面接状況への対処の仕方 に焦点を当てます

この研修の目標に興味のある方は、3回連続で参加することをお勧めします。2回目以降からは連続参加の方が優先になります。2回目以降の新規参加はヘルピングスキルの知識がある(過去に受講した方、または推薦文献*を読んでいる)方で、空きがある場合に受講可能です。
推薦文献、参考文献:
「認知療法実践ガイド・基礎から応用まで」星和書店、2004年 ジュディス・ベッ
ク著(伊藤絵美等訳)
「認知療法入門」星和書店、1989年 アーサー・フリーマン著(遊佐安一郎監訳)
「ヘルピングの心理学」講談社新書 ロバート・カーカフ著(国分 康孝訳)
「認知療法・認知行動療法カウンセリング:CBTカウンセリング初級ワークショップ」星和書店、2005年 伊藤絵美著
Helping Skills: Facilitating Exploration, Insight, and Action (2nd Ed), American Psychological Press, 2004、Clara Hill著* 
「認知行動療法を学ぼう:講義3『協働関係構成と動機付けのための基礎技法を学ぶ』」、遊佐安一郎、高橋規子著、臨床心理学 Vol7, No6 pp847-856、2007 *
定員
30名
対象
初級(臨床経験のない、または少ない方、または面接技法に自信のない方で認知行動療法に興味のある方。または臨床経験はあるが、認知療法の実践に自信のない方)、または中~上級者で面接技法を教えることに興味のある方

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