 「あなたメッセージ」を「私メッセージ」に
今回は、こちらの気持ちを上手に相手に伝えるコミュニケーション・スキルの一つである「私メッセージ」について、簡単に御紹介したいと思います。 相手に対して、いろいろ言いたい事があるとき、人は、とかく 「(あなたは)どうして言われたことをすぐにやってくれないの?」 「(あなたは)いったい何を考えてこういうことをするの?」 「(あなたは)いつも私のことをわかろうとはしない!」 「(あなたは)すぐにこれをやりなさい!」 など『あなた(相手)』を主語にした言葉で自己主張しがちです。これを「あなたメッセージ」と言います。この場合、相手のマイナス面に焦点を合わせた説教、批判、悪口、命令になりがちで、相手の気分を害して反発だけを買い、こちらの気持ちはなかなか相手には伝わりません。 これに対して、「私メッセージ」は主語が『私』になっている話し方です。『私』に焦点を合わせて自分の気持ちを素直に表現することにより、相手への説教や批判、命令などは含まず、こちらの言いたいことを相手にちゃんと伝えることができる方法です。 実は、たいていの「あなたメッセージ」は、「私メッセージ」に言い換えることができます。たとえば 「(私は)すぐに・・・・してもらえると、とても助かるな。」 「(私は)・・・・されるととても悲しい(困ってしまう)。」 「(私は)こうしたらどうかなと思うんだけど。」 などといった表現です。提案型の話し方になり、相手も気分を害したり反発を感じることが少なく、こちらの話を受け入れやすくなります。 「私メッセージ」に言い換える時は、どういう行動が、私にどういう影響をおよぼして、私はどう感じるかということを伝えるのが、ポイントだと言われています。前々回の一ロコラムに書いた「DESC法」(み・かん・て・い・いな)にも通じるものがありますね。 何かカチンとくることがあったときに、すぐに「あなたメッセージ」で言いたいことを言って感情を相手にぶつけるのではなく、一呼吸おいて「私メッセージ」に言い換えることを考えてみるようにすると、こちらの気持ちを静める効果もあるでしょう。 今回の、「私メッセージ」については、インターネットのサイトで、具体的な例をあげてわかりやすく説明しているところがいくつかありましたので、興味のある方は、どうぞ検索してみてください。 医療法人和楽会 心療内科・神経科 赤坂クリニック院長 |
