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病(やまい)と 詩(うた)【 54 】②— 新型コロナウィルス流行 —(ケセラセラvol.100 大井玄)

東京大学名誉教授 大井 玄

~①のつづき~

今後このウィルス流行はどのぐらい拡大し、人命が失われるのだろうか。
流行のトライアングルという概念がある(2)。それは、病原体、ホスト(宿主)、環境の3因子が相互作用しあって、流行の規模やひどさを決定するという考えである。疫学徒は昔から流行予測に用いてきた。
古典的な例では、インフルエンザの汎発流行の出現には、16世紀半ばに起こった環境条件の変化が関与しているというものがある。
それは、中国でアヒルをイネにつく昆虫駆除のため水田に放し飼いにしたことである。アヒルは莫大な数のウィルスを宿す。一方豚は異種のウィルスを混ぜ合わせ、新種のウィルスをつくる力がある。そしてヒトに伝える。アヒルと豚を接近した場所で飼育すると何が起こるか。豚・アヒル雑種の、つまり病原性の高い新種のウィルスが生まれ、以来ヒトは苦しめられている。

さて、最初の因子は病原体である。コロナウィルスの系統には、ふつうの風邪、肺炎や気管支炎をおこす類もあるが、劇症急性呼吸器症状(SARS, Severe Acute Respiratory Syndrome)のように、致死率が高齢者では数十パーセントに達する恐ろしい感染症を起こすものもある。

新型コロナウィルスについてはWHOは特別の委員会を開き検討し、当初「世界的非常事態、global emergency」を宣言することを控えていたが、結局そうせざるを得ない事態となった。
その感染性は、12月31日までの感染群から現在までの感染者の増加をみると、SARSの場合よりも高いように見える。一方その毒性はウィルスの構造がSARSとは相当異なっており、比較的に低いと思われる。
第2の因子ホストは、高齢者や免疫抵抗の衰えたものが、当然のことながら死に至る率が大きい。

第3の因子は環境条件である。
中国経済の規模が拡大するにつれ、移動に空路を利用する人の数は天文学的に増えた。正月を祝う移動を制限する措置がとられるのは当然だった。その2週間の計画された移動数は空と陸を合わせ30億に達するという。強圧的な移動制限を課せられた数は5千万人を超えた。
環境条件がもっとも変化したのは、中国とそれ以外の国々とのつながりが増えたことだった。
2005年、S A R S 流行の2年後、中国本土からの国際空路は233に過ぎなかったが、2016年までに3倍以上の739に増えている。同じ期間に中国に出入するものの数は、約300万人から5、100万人と爆発的に増えた。

新型コロナウィルス流行はどのような展開を示すか。三つの因子の掛け合わせで決まるとしても、それはSARSのような形で終息するのか、それともスペイン風邪の規模まで爆発するのか。今の時点では不明に見える。

文献
(1) N.Kristof “Coronavirus reveals cost of Xi,s rule” New York Times 2020-1-31
(2) D.Werb “To understand the coronavirus, Look to the epidemic triangle” ibid 2020-2-5

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