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将棋の話ーその2ー(ケセラセラ vol.91)

医療法人和楽会 心療内科・神経科 赤坂クリニック 院長 吉田栄治

 

2017年の将棋界は、中学生棋士・藤井聡太四段の破竹の快進撃に始まり、最後は羽生善治棋聖の竜王位奪取、永世七冠の達成で大いに盛り上がりました。羽生さんは本来であれば2008年に獲れたかと思われた初代永世竜王の資格を三連勝後の四連敗で渡辺明竜王に持っていかれて、以来、この称号を獲得するのに9年かかってしまいました。天才羽生をしてもこれほどかかってしまったんですね。

それにしてもこの永世七冠というのはとてつもなく凄いことです。将棋界には七大タイトル(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)がありまして(今年から叡王が一つ増えて八大タイトル)、タイトル獲得が五期連続か通算で七期あるいは十期などの規定に達すると永世称号を獲得できるのですが、これまでに永世称号を一つでも獲得した棋士は羽生さんを含めてたった10人しかいない。大変な猛者たちの中で一つのタイトルを獲るだけでも大変なことで、永世称号を獲ろうと思ったら、そのタイトルを五期連続で維持するか通算七期とか十期、獲らないといけない。その永世称号を羽生新竜王は全部獲ってしまったわけです。

将棋のタイトル獲得数

ネットでちょっと「将棋のタイトル獲得数」を検索してみますと、歴代のタイトル獲得者が出て来ますが39人しかいませんでした。生涯でタイトルを獲れる棋士は一握りに過ぎず、その中で10回以上タイトルを獲得している棋士にいたっては8名しかいない。森内(以後敬称略)が12回、佐藤(康)が13回、渡辺と米長が19回、谷川が27回で、トップ3は、中原の64回、大山の80回、そして羽生はなんと99回です。羽生竜王は次のタイトル戦で前人未到の通算一〇〇期のタイトル獲得に挑むことになります。凄いですね。まさにレジェンドです。藤井四段はこれからこの羽生竜王の記録に挑んでいくことになるのだと思いますが、大変楽しみです。

 

ひふみんアイ

今回も、うっかりしていると前置きだけで紙面が尽きてしまいそうでした。本題に入りましょう。2017年の流行語大賞の候補にも挙がっていた「ひふみん」こと加藤一二三・九段が対局中に時々行なっていたのが、「ひふみんアイ」です。対局中、相手が席をはずした時などに、相手側から将棋の盤面を見て形勢判断の参考にするというものですね。藤井四段がこの「ひふみんアイ」を度々することでネットで話題になりました。加藤一二三・九段ご自身も、「ひふみんアイ」の後継者ができたなどと話していましたね。頭の中に将棋盤をありありと思い浮かべられるであろうプロの棋士でも、実際の盤面を反対側から見てみると、新たに気がつくものがあるんですね。

この180度、相手の側から物事を見てみるということは、日常の人間関係においても非常に有益な方法で、自分の側だけから物事を見ていると見えてこないものがあり、相手の側に立って見てみることで、相手が考えていること、相手が恐れたり不安に思っていることなどが見えてきて、状況の捉え方が変わってくる場合があるわけですね。この「相手の立場になって物事を考えてみる」ということは昔からもうとっくに言い古されていることで、今更という面もあるのですが、この案外役に立つとわかっている「相手の立場に立ってみる」ということが、感情的になってしまうとなかなか実践できないんですね。親子関係やら友人関係やら職場の人間関係やらで、いろいろ悩んでいる方に、時々この助言をする場合があるのですが、そうすると「先生は相手の方が正しいと言うんですか?」「先生は私が間違っていると言うんですか?」と反発をされてしまうことがしばしばあります。どちらが正しい、どちらが間違っているということではなく、少し冷静になって相手の心理も理解することで、何か新たな解決策が見つかるのではないかということなんですけどね。実際、世の中にはパワハラ的な上司であるとか、意地悪な知り合いであるとか、本当に困った相手というのもいるわけですが、そんな時も相手とのかかわり方の戦略を考えるうえで、この「ひふみんアイ」はきっと役に立つと思いますから、ぜひ皆さん実践してみましょう。

今回も紙面が足りなくなってしまいました。残りのお話は、また次号ということにしたいと思います。

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