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過眠症(ケセラセラvol.92)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 海老澤 尚

 

今回のテーマは過眠症です。日中に強い眠気を感じてうとうとしたり、居眠りを繰り返す疾患です。既にご紹介した睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群では夜ぐっすり眠れないための眠気ですが、ここでは夜眠っているはずなのに日中の強い眠気を感じる疾患をご紹介します。

1. ナルコレプシー

日中の強い眠気があり、数分から20分間程度の短時間の居眠りを繰り返します。居眠り後は一時的に眠気がとれてすっきりしますが、しばらくするとまた眠くなります。
感情の動きをきっかけに体から力が抜ける情動脱力発作と呼ばれる症状が特徴です。笑ったり驚いたり怒ったりしたあと、全身または身体の一部の筋肉に突然力が入らなくなります。全身が崩れ落ちる場合もあれば、膝の力が抜けたり、呂律が回らなくなる程度のこともあります。脱力は左右対称で、数秒から数分間で完全に回復します。脱力している間も意識は保たれています。
寝入りばなに(または目覚めの際に)リアルな悪い夢を見て怖い思いをしたり、金縛り(目は覚めているのに体に力が入らない状態)が頻繁に起こることもあります。
日中は眠気が強いのですが、夜中は何度か目が覚め、睡眠が分断されることもあります。
ほとんどの場合、ヒポクレチン(オレキシン)という物質の髄液中濃度が低下していることが判っています。
10歳台で始まることが多く、日本では0・16~0・18%の方にみられます。

2. 特発性過眠症

日中に強い眠気が続き、居眠りを繰り返します。毎日12時間以上眠ることがあります。眠りからの目覚めが悪く、無理に起こすと一時的に混乱した状態になることもあります。頭痛や起立性低血圧(立ちくらみ)、手足が冷えると血行が悪く蒼白になるレイノー現象を伴うこともあります。

ナルコレプシーに比べ、日中の眠気の「耐えがたさ」は程度が軽い場合が多いのですが、居眠りの時間は長く(時に数時間程度)、居眠り後もすっきり感が得られません。ナルコレプシーよりまれで、10~20歳代前半に始まることが多いです。

3. 周期性過眠症

数週間から数か月ごとに1週間程度の過眠を繰り返します。過眠は頭痛や全身倦怠感が数時間続いたあとに出現することがあります。過眠がある期間は、食事・排泄の時以外1日中眠っています。過眠の間に強い刺激で目を覚まさせることは可能ですが、反応は鈍いことが多いです。過眠がある期間以外は全く症状がありません。

10歳代に始まることが多く、男性に多いとされていますが、女性の月経周期に一致して過眠が生じるタイプもあります。まれな疾患です。

4. 睡眠不足症候群

これは病名の通り慢性的に睡眠不足が続くために、強い眠気や注意集中困難、全身倦怠感などが生じる疾患です。
「睡眠不足で眠いのは当たり前」ですが、睡眠不足にご本人が気づいていない場合の診断名です。睡眠時間の短さを除き、寝つきなど睡眠そのものには問題がありません。短時間睡眠が続く平日に比べ、好きなだけ寝られる週末などは睡眠時間が増え、長時間眠ると眠気なども回復します。多忙な方や夜更かし習慣のある方がいつの間にか陥っている場合があります。必要とする睡眠時間は個人差も大きいのですが、日本人の必要な睡眠時間の平均は7?8時間ですので、平日の睡眠時間がこれより極端に少なく、日中の眠気などが強い場合には疑ってみた方が良いと思います。

 

ナルコレプシーや特発性過眠症の診断には専門施設での検査が必要です。

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