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加齢と睡眠(ケセラセラvol.95)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本智数

 

クリニックでうかがうお話の中で、多いのが加齢に伴う変化に関することです。自分のこと、妻や夫のこと、そして親のことについてなどです。実は私は認知症も専門にしていて、以前勤務していた病院では、物忘れの検査、診断、治療を行っていました。
特に、前任の宇治おうばく病院では、高齢患者さんの物忘れについての相談も受けていましたし、うつ症状や不眠、時には妄想なども診ていました。さらには、自宅や施設、他の総合病院などで対応ができなくなった認知症などの高齢患者さんの入院治療も担当していました。すべての人が年を取りますし、それに伴い個人差はありながらも心身ともに衰えていきます。加齢による体と心の変化、物忘れや認知症は若い人にとっても決して他人事ではなく、家族、そして将来自分にも関係してくることです。

診察で話に出てくる中で非常に多い話題の1つ睡眠に関することです。睡眠も加齢により大きな変化が見られます。まず、睡眠時間は加齢とともに次第に短くなっていきます。赤ちゃんはお腹がすいた時やうんちが気持ち悪い時以外はほぼ眠っていますが、その後睡眠時間は、幼児になると12時間程度、小学生になると10時間程度となります。成人になると7時間前後になり、高齢者になると人によっては4時間程度になる方もおられます。

加齢による睡眠の変化は睡眠時間だけではありません。睡眠の深さも変化していきます。通常、深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返し、朝になるにつれて全体的に徐々に浅くなっていきます。深い眠りをノンレム睡眠、浅い眠りをレム睡眠といいます。レム(=REM)は、rapid eye movementの略で、急速眼球運動という意味です。レム睡眠中には眼球が急速に動いていて、体は脱力していますが脳は活動しているため夢を見ると言われています。ノンレム(=nonREM)睡眠中には急速眼球運動は見られず、体も脳も休まっていると言われています。成人期には睡眠後、深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠を交互に繰り返すのですが、高齢になると全体的に眠りが浅くなっていきます。そのため、浅い眠りでありながらも通常は目が覚めないレム睡眠で、目が覚めてしまうようになるため、途中で何度も起きてしまうようになります。

昼に活動している人は、朝になると目が覚めて、夜になると眠くなります。この睡眠覚醒リズムは、外が明るくなるので目が覚め、暗くなって1日の疲れで眠くなるだけではありません。実は体の中ではさまざまなホルモンなどの物質が動いています。夜になると増え朝になると減るものもありますし、逆に夜になると減り朝になると増えるものもあります。こういったさまざまな物質が時間とともに動くことで、昼間起きて夜間眠るというリズムができあがるのですが、加齢とともにこの動きにメリハリがなくなってきます。そうすると、夜の眠りは浅くなり目が覚めやすくなり、昼間にも眠気が来てしばしば寝入ってしまうのです。

睡眠の途中で目が覚める要因の1つに尿意、つまりトイレに行きたくなって起きるというのがあります。ここにも加齢による影響が出てきます。尿は腎臓で作られ膀胱にためられるわけですが、もともと日中に比べると夜間は尿が濃くなり量が少なくなるようになっています。加齢とともに腎臓の機能が落ちてきますと、この夜間に濃縮した尿を作る力も落ちてくるため、濃い尿を作れなくなり、尿量も少なくすることが出来ず、結果として何度もトイレに行きたくなるのです。

7、8時間朝までぐっすり眠って、寝起きもスッキリさわやかというのが理想的ではありますが、6時間前後(高齢者は5時間前後)眠れて、夜中に1、2度(高齢者は2、3度)トイレに目が覚めてもまたすぐに眠れるのであれば概ね問題ありません。時には嫌な夢を見ることもありますが、夢の内容は気にしないでおきましょう。睡眠は毎日同じリズムで取るのが望ましいので、休みの日だからといって朝遅くまで眠るのは避けましょう。昼夜逆転傾向になってきたなら、どんなに夜遅くまで起きていても朝は一定の時間に起きて昼寝はしないようにしましょう。睡眠についての不安なども、お気軽にご相談ください。

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