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山中です。 よろしくお願いいたします。(ケセラセラvol.97)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 山中学

 

本年5月より横浜クリニックの院長として勤務しております、山中学(やまなか がく)と申します。よろしくお願いいたします。

赤坂クリニックでは開院時より診療していますが、この20年近くは大学病院の内科が本務でした。総合内科の中で心療内科を担当し、心身症、身体症状症、不安症、うつ病などを中心に、診療をおこなっておりました。ストレスが影響を与える身体の病気も含めて、「心療内科」で扱う症状全般にわたって、お役に立てればと考えております。通勤時間が長くなった分、読書の時間が多くとれそうなので、この欄では読んだ本のことなども書いて行こうかと思います。

大学病院最後の3年間は、内科の医局長として大変忙しい日々を過ごしました。医局長といっても、『白い巨塔のように、教授選の裏工作をしたり、医局員を離島の診療所にとばしたり、といったようなことは一切なく、約50人の医局員がいる医局で次々と起こって来る問題、雑務の調整係をひたすら務めていただけです。この3年間は、ちょうど、「医師の働き方改革」が課題となってきた時期でした。大学病院でありつつ地域の中核病院でもあるという役割の病院だったので、重症患者も緊急入院も多く、勤務医の長時間労働が当たり前の状況でしたが、タイムカードの導入、時間外手当支給の開始、当直明けの勤務軽減など、これまでタイムカードも残業手当もなかったのかと驚かれるでしょうけれども、ようやく普通の職場のようになってきたというところでした。

「医師の働き方改革」の実現のための課題は数多くありますが、現場で感じることが多かったのは、医師の仕事に対する意識の世代間ギャップでした。若い世代の方が、より合理的で、ワークライフバランスを重視する傾向にあり、このことが「医師の働き方改革」を達成するためには良いことだと考えますが、一方で、この流れで本当に良いのだろうかと思うこともあります。ということで「働くこと」に関連した2冊のマンガです。

2018年にベストセラーになった『漫画 君たちはどう生きるか』と似たような造りなので、二匹目のドジョウを狙ったのかなとも思いましたが、『漫画 働くということ』は面白かったです。小説家の黒井千次が自らの会社員生活を振り返りつつ働くことの意味を考察した『働くといこと-実社会との出会い-』(講談社現代新書、1982年)が原作です。原作と合わせて読むと、『カレチ』で昭和時代の国鉄職員の仕事を見事に描いた池田邦彦の漫画化の上手さにも大変感心させられますが、著者が大学卒業後、自動車メーカーに就職し、仕事に悩みながら、働くことの意味をつかんでいく(「仕事が自分の中に入る」と表現しています)、そのエピソードの積み重ねを読みながら、時代も仕事も違うのに、自分のこれまでの医師としての仕事の体験がいくつもよみがえってきました。

『働くということ』は、著者も書いているように、あくまで個人的な経験に基づいた個人の考えですので、誰もが「仕事を自分の中に入れ」なければならないわけではありません。「働き方改革」では、多様性が大事です。『僕たちはもう帰りたい』は、「全日本もう帰りたい協会」という

Twitterアカウントからの漫画化らしいのですが、「もう帰りたい」をキーワードに、いろんな人の「働き方改革」を描いていて、大変よかったです。こういう本を見つけることができるので、リアル書店は大事だなあ、横浜クリニックは近くに大きな本屋があって嬉しいなあ、と感じております。今後ともよろしくお願いいたします。

 

『漫画 働くということ』
作:黒井千次、漫画:池田邦彦 講談社、2019年
『僕たちはもう帰りたい』
さわぐちけいすけ ライツ社、2019年

 

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