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本の紹介「超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由」第1章(ケセラセラvol.101 岸本智数)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本智数

新型コロナウイルスの影響で、ステイホームで不要不急の外出を自粛したのはもちろんですが、仕事の出勤日が減ったり在宅ワークになった方も多いのではないかと思います。普段より運動量が減ったことに加えて、スポーツジムやヨガ教室が一時的にクローズしたりなどで、さらに運動不足になり身体がなまったり体重が増えた方や、普段なら日中いない家族が一日中一緒にいることで自分の時間がなかなか取れず、気持ちがうつうつしたり、いらいらや焦燥感が強まった方が、4月5月は本当に多く見られました。私もすっかり運動不足になってしまっていましたが、少しずつ自宅での筋トレや有酸素運動を再開しています。メンタルにも身体的にもよろしくない影響が出始めている方がおられますので、緊急事態宣言が解除された今、少しずつでも運動や筋トレを行い、アフターコロナの生活に向けて心身ともに調子を整えていきましょう。もちろんマスクや手洗い、長距離移動の自粛などは引き続きなさってください。ちなみに私は当初、ダンベルやスクワットを行おうと思いましたが、前回書いたようにダンベルでの筋トレは関節痛などを引き起こし強度を上げることが難しいため、現在は自宅で家庭用ゲーム機でのボクササイズを中心に運動しています。ジョギングも平行して行いたいのですが、30度近い気温の中でマスク着用で歩くのさえも少ししんどいので、熱中症のリスクも考慮して今は控えています。さて今回は、前回ご紹介した文響社から出版のTestosterone,久保孝史らが著者の「超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由」の第1章、サブタイトルは「筋トレによってメンタルヘルスは向上する」について、ご紹介したいと思います。

筋トレは「焦燥感」「不安感」「慢性疼痛」「認知機能」「睡眠の質の低下」「自尊心の低下」などについて、ポジティブに働くという多くの研究があると紹介されています。そのメカニズムについてははっきりとしているわけではないですが、筋トレによって分泌されるテストステロンやセロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなどが関与していると言われています。テストステロンは男性ホルモンの一つで、年齢などの要因により低下すると、筋肉量が落ち、肥満や動脈硬化などの循環器系の疾患につながります。セロトニンやドパミン、ノルアドレナリンなどはうつ病やパニック症、社交不安症などの不安症の治療薬のターゲットとなっているホルモンです。これらのホルモンには心を落ち着かせ安定させる、脳を最適な覚醒状態にする、痛みの調整をする、幸せや興奮を感じたり気分を高揚させる作用があると言われています。2010年に米国のO’Connorらの発表した総説によると、筋トレをすることによって、寝不足や不健康から誘発される焦燥感が改善される可能性があるとされています。焦燥感については、自分の限界に近い重さを用いた筋トレより、ある程度回数をこなせるちょうどいい重さのトレーニングの方が焦燥感を取り除く効果が高いそうです。1998年に日本のTsutsumiらが行った研究によると、1回持ち上げるのが限界の80% の重さよりも50~60%程度の重さの方が、より焦燥感が軽減したそうです。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも焦燥感が取り除かれることが、1998年Broocksらの研究で報告されています。逆に、2005年のSinghらの研究によると、低重量よりも高重量でトレーニングした方が、睡眠の質が向上しました。

改めて筋トレとうつ症状との関係に関する論文について調べてみたところ、その後も複数の論文が発表されていました。そのうちの1つ、2018年にアイルランドのリムリック大学のBrettらが発表した複数の論文の結果を解析した総説によると、負荷をかけたエクササイズやトレーニングは、健康状態、運動量、負荷強度の大幅な改善に関係なく、成人の抑うつ症状を大幅に軽減するというデータが示されています。また中国の同済医科大学のHuangらの複数の論文の結果を解析した総説によると、うつ病のリスクに対する座りがちな行動の影響についての解析で、テレビの視聴はうつ病のリスクと関連していましたが、コンピューターの使用はそうではありませんでした。これは、テレビを見るなど精神的に受け身的な座りがちな行動がうつ病のリスクを高める可能性があることを示しています。いろいろ考えずにとりあえず運動や筋トレをして、いい汗をかいて適度に疲れてぐっすり眠ることが心身ともに良い結果につながると思いますが、余裕があればトレーニングの負荷をどれくらいかけるかについても目的に応じて変えてみるとより良いかもしれません。

Testosterone氏はこう言っています。「悩みや心配は筋トレで返り討ちにする」つまり「悩んで解決する問題などほとんど無い。心配ってのはまだ起きていない問題を頭の中で創り出しストレスを感じる行為だ。じっとしていると悩みや心配が止められない。悩みや心配が襲って来たら筋トレで返り討ちにしろ。筋トレすれば悩んだり心配したりする余裕など消える」と。過去の出来事について、こうしたからダメだったのではないか、ああしておけば良かったのではないか、などグルグル考え続けてしまうことが、気分の落ち込みや不安などにつながることは多くの論文で報告されています。「筋トレで返り討ち」は、まさにこのグルグル思考を相手にせずに他のことに意識を向けるという対処法として有効でしょう。Testosterone氏はこうも言っています。「筋トレをして筋繊維を痛めつけると筋肉痛で生きている実感が得られ、筋肉が増え、腹筋が見えてきたなどの分かりやすい変化で自尊心は高まり、良い体してるねと他人からほめられさらに自尊心が高まる」「筋トレを怠っても一夜にして消滅することはないし、筋トレを再開すれば短期間で復活する、筋肉は健気に待ってくれるズッ友」「規則正しい食事と睡眠、起床後太陽光を浴びる、就寝2時間前からスマホなどの強い光の禁止、運動、会話で、ホルモンバランスと自律神経が整う」と。後者はまさに私も診療の中で多くの方に伝えていることと同じ内容です。今一度生活を振り返ってみて、出来ることからやってみましょう。

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