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血管性認知症(ケセラセラvol.103 岸本智数)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本智数

血管性認知症 vascular dementia(VaD)とは、脳血管障害によって起こる認知症の総称です。虚血性脳血管障害(いわゆる脳梗塞など)や出血性脳血管障害(いわゆる脳出血)などすべての脳血管障害が原因となり、均一の病気ではなく複数の病態が合わさった疾患群のことを意味します。症状を伴う脳血管障害だけではなく、明らかな症状を伴わないものも原因として含められます。血管性認知症の臨床診断基準には複数ありますが、現在のところ最も広く用いられているものは、NINDSAIRENという診断基準です。
この診断基準の主な内容は、①認知症の存在、②脳血管病変の存在、③認知症と脳血管病変の時間的関連性です。血管性認知症の各診断基準間での診断一致率は高くないと言われており、この理由としては、認知機能障害の評価がアルツハイマー型認知症の記憶障害を基準に行われることが多く、血管性認知症でみられる遂行機能障害や注意障害が正しく評価されにくいことや、脳血管障害と認知症発症の時間的関係の証明が難しいこと、アルツハイマー型認知症を合併する頻度が高いこと、血管性因子がアルツハイマー型認知症の病理を加速させることなどがあります。遂行機能とは、ものごとを計画し順序よく実行する機能のことです。日常生活で認める認知症の遂行機能障害には、例えば「カードの利用方法が分からない、ATMを操作できない」「処方された通りに服薬できない、医師にうまく症状を伝えられない」「複数の品物を買えない、適切な店で品物を買えない」「食事の献立を考え調理ができない、味付けができない」「携帯電話やリモコンなど電化製品の使い方が分からない、洗濯しながら料理するなど2つを同時並行で行えない」などがあります。

血管性認知症ではアルツハイマー型認知症と比較して、記憶障害についてはその程度が比較的軽症であることが多く、記憶を思い出せないことが主体で前に提示したものをヒントなどで思い出せることが多い。一方情報を処理する速度の低下が初期からみられます。先ほど述べた遂行機能障害が目立つほか、無感情ややる気のなさ、興奮と抑うつなどの気分の変調も目立ちます。構音障害や嚥下障害、パーキンソン症状(小刻み歩行、すくみ足、無動、筋強剛など)、頻尿や失禁などが右記症状に加えてみられます。血管性認知症発症前から自発性の低下や抑うつが目立ち、家庭内に引きこもりがちになることがしばしばみられます。周りの促しや介護サービスなどの利用により、社会生活や人間関係を保つことは認知症予防の観点から有用とされています。

血管性認知症の原因としては、多発ラクナ梗塞、脳白質病変に基づく小血管性認知症が大半を占めるため、もっとも優先順位の高い治療は脳卒中再発予防です。多発ラクナ梗塞とは、穿通枝の閉塞による直径15 ㎜未満の小梗塞が大脳基底核、白質、橋などに多発したものをいいます。脳白質とは、MRIなどの脳画像で脳のすぐ表面の内側にある部分を指し、神経細胞の連絡路があります。

脳出血、脳梗塞問わず脳卒中再発予防でもっとも優先されるのは血圧管理で、他のリスク因子の管理や生活習慣改善も重要です。脳卒中再発予防のために管理すべき危険因子としては、高血圧、糖尿病、喫煙などの動脈硬化の危険因子や、脂質異常、心房細動、肥満、多量飲酒が挙げられています。バランスの良い食事と適度な運動により肥満を予防すること、アルコールを飲む場合も1日1合程度に控えることに加えて、禁煙の徹底がもっとも重要であると言われています。脳卒中の既往がある患者さんの場合は、認知症発症予防には脳卒中の再発予防がもっとも重要ですが、脳卒中後にはしばしば片麻痺を伴うので徐々に起き上がったり歩行しなくなり寝たきりに至り、認知症を悪化させることがあります。また、無理な動作により転倒や骨折し、長期間の臥床が必要となり、その結果認知機能が悪化することもあります。家族などのサポートや介護サービスの利用により、今できる日常生活動作をできるだけ維持することが大切です。

参考書
認知症ハンドブック 医学書院
認知症 最新医学社

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