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新型コロナウイルス感染拡大の今 メンタルヘルスについて思うこと ーその3ー(ケセラセラvol.104 内田千代子)

医療法人和楽会 横浜クリニック 医師 内田千代子

新型コロナウイルス感染症の勢いはなかなか衰えず、首都圏での2回目の緊急事態宣言はやっと解除になったものの、3密を避ける生活、人と人との交流を避ける生活はまだ続いています。
経済活動も低迷し、自殺者の増加が憂慮される今、英知を集めて開発されたワクチンに期待が寄せられています。世界中でワクチンの争奪戦が行われる中、日本では副反応への不安が多く報道されていました。今となっては、ワクチンが全国民に充分供給されるのかどうかという不安が生じております。

私の娘は、新型コロナウイルス感染症による死者が非常に多いアメリカで精神科医をしています。
医療従事者であり妊娠中の彼女が色々と考えた結果、「ワクチンを接種するリスク」だけではなく、「接種しないリスク」を天秤にかけて、妊娠中にワクチン接種をすることにしたといいます。おかげさまで無事に三男を出産しました。彼女は妊婦がワクチンを接種した効果や安全性を追跡調査するための臨床研究にも参加し、臍帯の一部や胎盤なども提供しています。わからないことに対する不安は尽きないのですが、正しい情報と相談相手が必要ですね。

今回も前回に続いて、人と人が直接接触できない寂しい時期における交流のあり方について考えたいと思いますが、その前に、この新型コロナウイルスという感染症が引き起こす様々な現象、不安や偏見と差別について考えておきたいと思います。

●新型コロナウイルスが引き起こす危険な感染症~不安・偏見・差別
日本赤十字社新型コロナウイルス感染症対策本部発行の資料を引用します。
「ウイルスがもたらす第1の“感染症”は病気そのものです。
第2の“感染症”は不安と恐れです。このウイルスは見えません。わからないことが多いため、私たちは強い不安や恐れを感じ、振り回されてしまうことがあります。気づく力、聴く力、自分を支える力を弱め、瞬く間に人から人へ伝染していきます。
第3の“感染症”は嫌悪・偏見・差別です。不安や恐れは人間の生き延びようとする本能を刺激します。そして、ウイルス感染に関わる人や対象を日常生活から遠ざけたり、差別するなど、人と人との信頼関係や社会のつながりが壊されてしまいます。」

「第3の“感染症”をふせぐために、確かな情報を広め、差別的な言動に同調しないようにしましょう。この事態に対応しているすべての方々を、ねぎらい、敬意を払いましょう。」

新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている医師や看護師などの医療従事者の苦労は、想像に難くありません。従事している医療の仕事だけでも大変ですのに、周囲からの不当な扱い、例えば、危険だからと遠ざけられたり、子どもが排除されたりという理不尽な扱いにこころが折れるといいます。
日赤の資料でいうように、我々は、確かな情報を得る努力をして、差別的な言動に同調しないようにしたいものです。そして敬意ですね。

●人と人との交流の大切さ
幸せホルモン、愛情ホルモン、癒しホルモンといわれるオキシトシンについて、 昨年、NHKのガッテンでも放送していました。番組では、恋人や夫婦が5分間ハグした後にオキシトシンが増えるという結果が示されました。
オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、出産で大量に分泌されます。産後の子宮の収縮と乳汁分泌に重要なホルモンです。昔私が医学生の頃はそれだけでしたが、その後、社会性や愛情にも大きく影響するホルモンだということが明らかになり、共感性にも関係があると考えられています。幸せホルモン、愛情ホルモンなどともいわれるようになりました。自閉スペクトラム症の人の社交性向上の効果を狙って、オキシトシンの鼻粘膜スプレーを使う研究もされています。
ハグした後に増えたというように、人と人が触れ合うとオキシトシンが分泌されるとのことです。人と人が直接触れ合うことができない今の時期はどうしようもないということになりますが、人と接触しなくても、見つめあう、電話の声だけでもオキシトシンが分泌されて気持ちが落ち着く、という研究も見られます。飼い犬や猫との接触も同様だといわれます。直接会って触れることはできなくても、電話、オンラインなどで交流をもつことでオキシトシンが分泌されて幸せな気分になるというのも理解できます。そして、一人ぼっちでなく、人とつながっているという感覚が大切ですね。

それから、長寿の人の特徴の一つとして、感謝される経験がたくさんあることといわれますけど、わかるような気がします。感謝されるとうれしいですし、幸せな気分になりますよね。オキシトシンが分泌されるのかも
しれません。今のようなときこそ、身近な家族などに感謝の気持ちを示したいものです。

そして繰り返しですが、新型コロナウイルスに対応しているすべての方々にも、ねぎらい、敬意を払うように心がけたいです。

参考文献
・内田千代子、COVID -19 緊急事態宣言下のメンタルヘルス~精神科医からのメッセージ~
2020年5月 星槎ジャーナル
https://gred.seisa.ac.jp/bbanerh2p-866/
・日本赤十字社新型コロナウイルス感染症対策本部:「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!負のスパイラルを断ち切るために~」
2020年3月26日発行
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html

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