葬儀のなぜ? 後篇
こんにちは。先週にひきつづき原井先生のコラムをご紹介したいと思います。
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なぜネットを使わない?
今は何でもネットの時代です。ふと考えると日本の葬儀はまだまだネット化していないようです。ネット先進国米国ではどうなのでしょう?
昨年末,以前からお世話になっていた米国人女性が癌で亡くなりました。サンフランシスコ近郊に住んでおられた開業看護師で,日本人学生をホームステイさせたことから,日本に興味をもつようになられました。私が国立肥前療養所にいた頃,認知症家族に対するサポートグループについてご講演してくださり,知り合いになりました。3度ほど自宅にお邪魔させていただきました。最後に自宅でお会いしたとき,癌で闘病中とおっしゃっていて,気になっていたのでした。亡くなったことを知らせてくれたのは肥前の時の同僚でした。
彼女の名前をネットで検索すると,亡くなった方への弔辞を残せるサイトが見つかりました。地域の訃報と弔辞が一覧になっています。彼女の友人が書きのこしたものを読むと,いろいろなことが思い出されます。私も一言,書き込みを残していきました。自宅に人を招き,楽しませるホストとして彼女以上の人を私は知りません。
振り返ると,父の葬儀では儀式通りの読経と焼香だけでした。一般会葬者の方とは喪主として挨拶を一言交わす程度しかできませんでした。今,思うと父について私とあれこれ話をしたかった方がおられたようです。私も父についての話を教えて欲しかった方がおられます。でも,葬儀屋さん任せの葬儀ではとてもそんな場面を持つことはできませんでした。
オンラインで亡くなった方にメッセージを送れるようなサービスが日本でも広まれば良いのに,と思っています。仏壇の位牌よりも,残された人にとって役立つでしょう。
葬儀のトリビア
今まで知られている限り,もっとも古い葬儀の考古学的証拠はイスラエルのカフゼーとスフールの洞窟から見つかっています。13万年前,そこにいたネアンデルタール人は亡くなった人の骨を黄土色に染め,副葬品と共に埋めていたのです。その後,アフリカなどで出現したホモ・サピエンスたちは,さらに工夫した葬儀を行うようになりました。そして,現在残された中で,世界最大の体積を誇るお墓はクフ王のピラミッドです。では,世界最大の面積を誇るお墓はどこにあるかご存じですか?検索して調べてみて下さい。