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わたしのこころの見立てかた その1(ケセラセラvol.105 樋山光教)

医療法人和楽会 横浜クリニック 院長 樋山光教

このたび横浜クリニックの院長に就任した樋山光教です。ご挨拶代わりに、私の臨床スタンスを皆さまに知っていただきたいと思い、少々大げさな題ではありますが、何回かに分けて述べてみようと思います。
昔の医療は医師個人の経験や勘に頼る、個人差の大きい不揃いなものが普通でした。しかしこれでは当たり外れがあってまずいのは明らかで、次第に最新の臨床研究に基づき統計学的に有効性が証明された医療が行われるようになりました。これを『根拠に基づいた医療』(Evidence-based Medicine;EBM)と呼び、現代医療の主流になっています。最近コロナのニュースなどでも、エビデンスと言うのはこの「科学的根拠」(Research evidence)のことです。このエビデンスに基づいて、疾患ごとに診断基準や診療指針(ガイドライン)が作成されて、有効性が証明されています。
ちなみにEBMは「科学的根拠」だけではなく、「患者さんの意向や行動、価値観」や「臨床現場の状況・環境」といった要因を、医療者がその「技術や経験を含む専門性」の元に勘案し、その時々で最良と思われる治療方針を決定していくものです。(図1)

しかし精神医療では、診断基準がうまく当てはまらず名目的な分類に取りあえず入れるだけだったり、診断基準だけでは語り切れない個別性のある症例に数多く当たったりするのが日常
です。そこで、これを補完する意味合いで、EBMを実践してきた英国の開業医から提唱されたのが、『物語に基づいた医療』(Narrative-based Medicine;NBM)です。
これは患者さんが対話を通じて語る病気になった理由や経緯、現在の認識などの「物語」から、医師が病気の背景や人間関係を理解し、患者の抱えている問題に対して、身体的、心理的、社会的を含み全人的に対応していこうとする臨床手法です。EBMの「患者さんの価値観」の理解のためのアプローチと言えるかもしれません。

さて精神科の国際的な診断基準には米国精神医学会が作成した『精神疾患の診断・統計マニュアル、第5版』(DSM-5)や国際統計協会が創始し、戦後WHOが採択した『国際疾病障害死因分類、第10版』(ICD-10)の「精神および行動の障害」のパート(F分類: 来年第11
版(ICD-11)が発効予定)が有名です。私もこれらを参考にして診断をつけますが、それだけではジグソーパズルの一つの模様を見ているだけの印象を禁じえません。
そこで、NBMに類似した私なりのやりかたで、見立てを肉付けしていき、実臨床に役立てています。それを以下に述べてみようと思います。なおこれには私の診療についての自戒の意
味が含まれることを、一言お断りしておきたいと思います。

Ⅰ.診療での心構え
まずは、診療の前提となるスタンスについて、少し語っていこうと思います。
・関与しながらの観察
(Sullivan HS)
NBM流にいえば、大切な要素である対話(言語的)ということになりますが、ここではもっと非言語的な部分(NBMなら患者さんやそのおかれた状況をもっと知りたいと純粋に思う「好奇心」や「配慮」に相当するでしょうか)に焦点を当てたいと思います。精神科診療にはもちろん言葉は必須ですが、その際、聞き手の非言語的部分やさらに‘人柄’が大きく関与してくるということです。たとえば、聞き手側に「面倒だな」という思いがあり、切り口上な訊き方をされたら、そんな相手に内的なことを話す気になれるでしょうか?自分が逆の立場だったらと考えるとすぐ理解できると思います。つまり同じ質問でもきき方によって答えも違ってきて、大切な情報が語られなくなることも考えられます。互いに響きあうイメージです。うまく響きあうには‘ 訊く’より‘聞く’、さらに‘ 聴く’の方が良いのかもしれません。

では今回はこの辺で一区切りにしたいと思います。

参考文献
・Haynes RB,et al.BMJ 2002;324:1350
・新しい診療理念  No.15 NBM(Narrative-based Medicine)-物語と対話による医療 医療教育情報センター
・こころのとらえ方に役立ついくつかのこと 樋山光教 聖路加看護学雑誌 2019;22(2):39

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