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本の紹介「超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由」 第4章「仕事ができる人はなぜ筋トレをしているのか」(ケセラセラvol.106)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック 院長 岸本智数

東京オリンピックが8月8日に閉幕した頃は、愛知県の新型コロナウイルス陽性者数も400人未満でしたが、8月18日以降は連日1200人を超えており、8月20日には愛知県の大村知事が国に緊急事態宣言を要請しました。医療従事者、高齢者から開始されたワクチン接種も進んできていますが、ワクチンを接種しても感染することがあり、大切な人に感染させてしまうこともあるので、引き続きの注意が必要です。6月から毎月、私と当院看護師とで名古屋市中村区の新型コロナワクチン集団接種会場に出務しています。
また、8月23日からは当院で、かかりつけの患者さんとその家族などを対象に、ワクチン接種を開始しています。接種を考えているけれども、他のところで予約が取れなかったり、接種への不安が強い方は検討してみてください。

さて今回は、以前に引き続き文響社から出版のTestosterone,久保孝史らが著者の「超筋トレが最強のソリューションである筋肉が人生を変える超科学的な理由」の第4章、サブタイトルは「仕事ができる人はなぜ筋トレをしているのか」について、ご紹介します。
世界で最も忙しいといっても過言ではない多くの海外のエグゼクティブたちが貴重な時間を割いて、筋トレや運動を習慣化しているそうです。例えば、バラク・オバマ元アメリカ大統領は雑誌のインタビューの中で、週6回、朝7時から45分間、筋トレと有酸素運動を組み合わせたワークアウトを行っていることや、激務の合間を縫ってバスケットボールを楽しんでいると話しています。
Facebookを作ったマーク・ザッカーバーグも少なくとも週に3回、朝のランニングを欠かさず、世界有数の金融機関であるシティグループの前CEOのマイケル・コルバットはスクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動などを15秒間隔で繰り返す「スパルタクストレーニング」というハードなトレーニングを愛好しているそうです。一流のビジネスパーソンには朝型の人間が多く、その理由は早朝は急な仕事が入ることもないし、早朝から運動する予定を組んでおけば、前日に夜更かししたり、深酒するといった悪い生活習慣もつきにくいからだそうです。

一流のビジネスパーソンがトレーニングを生活に取り入れているのは、Testosterone氏によると、健康管理がもっとも重要な理由の1つといいます。
トレーニングは体を若く保ち、慢性的な痛みを予防し、自尊心を養ってくれるといったように、心にも身体にも良い影響を及ぼします。筋トレをして筋肉を効率よくつけるためには、生活リズムに加えて栄養学に関する知識も必要です。まさに「心身を健康に保ち、パワフルに働く」ために鍛えていると言えます。久保氏によると、ハーバードメディカルスクールの研究で、定期的なエクササイズは記憶力、集中力、頭脳明晰さに関わりの深い化学物質の分泌を助けることが証明されているそうです。
シドニー大学のMavrosら(2017)の報告によると、高齢者でも筋トレをすると、筋力が上がり、認知機能が向上し心肺機能も向上すること、認知機能は心肺機能ではなく筋力と強く関係しているそうです。さらに、男性ホルモンの一種であるテストステロンは40歳をピークに少しずつ低下していきますが、血中のテストステロン濃度が低いと肥満やアルコール中毒、ストレスの原因になることが報告されており、これらを防ぐために服薬やパッチ薬貼付などの医療的アプローチが行われています。筋トレをすることによって血中のテストステロン濃度を高めることが出来るという研究報告が数多くあります。
Testosterone氏は、この章をこう締めくくっています。「リーダーシップ、自己管理能力、タイムマネジメント、正しい努力の方法、目標設定能力、目標達成能力、そしてバリバリ働くための体力と心身の健康。ビジネスに必要な資質の多くは筋トレと切っても切り離せないものばかりだ。ビジネスで成功したければ筋トレしない手はない。」と。

継続は力なりといいますが、筋トレや運動についてもそうです。
とはいえ、例えば毎日1時間筋トレをしましょう、1時間ジョギングをしましょうと言われても、1日や2日はできても、疲れている時も天気が悪い時も毎日続けるのは多くの人にとって非常に困難でしょう。継続するために最初はとにかく継続できるだけの量を毎日行う、少しでもいいので毎日行うことが大切です。毎日1時間筋トレは無理でも、毎日3分ダンベルで筋トレしましょうとか、10回スクワットをしましょうと言われれば出来そうな気がしませんか。
とにかく1分でも3分でも毎日、さらに可能であれば入浴前など同じタイミングで繰り返し行うことが、徐々に習慣となるのです。
わずか数分でも毎日継続することで、少しずつ身体や心が変わってきて、そうすると今日は時間に余裕があるから少しだけ時間を長くしてみようかなとか、もう少し負荷をかけて筋トレしてみようかなと思える日が出てきます。これは筋トレや運動に限らず、毎日継続したいと思うことを長く続かせるために非常に有効な方法です。

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