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お受験、お勉強(ケセラセラvol.74)

医療法人和楽会 なごやメンタルクリニック院長 原井 宏明

私が診る新患のうち、2割程度は10~20歳前後の方です。その内、かなりの方にとっては高校や大学受験が切実な問題です。中学校受験を目指す小学生もいます。高校卒業後、数年たっていて医学部を目指している方もおられます。

受験勉強はストレスの原因になるかもしれません。自分の将来を真剣に考えるまでにはなっていない小学生に受験させるのは親の自己満足のためだと言えるでしょう。高校で学んだ古文漢文、数学が大人になった今の日常生活でも役立っている人はごくわずかでしょう。それでも、勉強するということ自体は大人になっても必要でしょうし、また勉強する中で身につけた自分なりの勉強の仕方はいろんな場面で役立っているでしょう。逆に身につけた勉強の仕方が実は間違っているということもあるかもしれません。今回はこの“勉強の仕方”について取り上げてみることにします。

間違った勉強の仕方

勉強の仕方にも科学的研究があります。実際に学生にやらせてみたとき他の方法と比べて効果が乏しいもの/高いもの、記憶が直ぐに薄れるもの/長く残るもの、があるのです。まずダメなものから取り上げてみましょう。

・マーカーなどでハイライトやアンダーラインを引く

高校生の強迫性障害の患者さんで、教科書のページが真っ赤になるぐらいアンダーラインを引いている人がいました。そこまでしなくても、簡単で素早くでき、なんとなく勉強した気になれるこの方法を使ったことがない人はいないでしょう。しかし、歴史の教科書を使ったある研究では、アンダーラインを使った学生は使わなかった学生よりも、歴史上の出来事同士の関連を説明させる問題の点数が低かったのでした。個別の出来事に注意が奪われて、関連にまで考えが及ばなくなるのです。ハイライトをするとしてもごく少しにとどめ、抜き出して単語帳にする、一部を隠してセルフテストにすることをお勧めします。

・何度も読み返す

これもたいていの人がやっているでしょう。強迫的な方の場合には、一部でも意味がとれないところがあるとそれを残したまま次に進むのが嫌で、完全にわかったと納得できるまで何度でも読み直す人がいます。実は、読み直しは2回目までは確かに理解を高めるのですが、それ以上はどんどん効果が落ちていき、時間と集中力の無駄使いになります。読み直しは2回までにとどめ、そこでわかったことについてどうしてそうなのか、自分自身で説明してみることをお勧めします。

絶対お勧めの仕方

・セルフテスト

自分自身で問題やクイズを作り、自分で答えることです。教科書の練習問題を解くことはもちろん、自分で単語帳などを作り、答えるようにすることが記憶の持続にとても役立ちます。二つの単語の組み合わせを憶える課題の場合、セルフテストをした学生は1週間後でも35%を憶えていたのに対し、しなかった学生は4%しか憶えていませんでした。セルフテストをすることで脳の中の長期記憶の回路が刺激されるとされています。

・分散学習

一つの課題については間隔を開けて学ぶようにすることです。これの逆が集中学習になります。強迫的な方の場合、一つの課題を全部終えてしまうまで、他には手を出さずにずっとやり続けるという学生がいます。明日のテストに備えて一夜漬けで集中的に憶えて、テストはまあまあ、しかし、1週間後には全ての記憶が消えていた、という経験は誰にでもあるでしょう。長く記憶に残すためには分散学習が必要なのです。たとえば雑学クイズのような課題があり、大量の知識を1週間憶えておく必要があるとしましょう。憶えるべきことを集中して1日で終えてしまうと、1週間後に残っているのはわずかです。1~2日間、他の課題をするなどして間を開けて憶えると、1週間残すことができます。5年以上憶えておく必要がある知識ならば、6ヶ月から1年間、間を開けて憶えるようにしなければいけません。数学や哲学など抽象的で基礎的な概念を長く憶えておくためには、集中的にするのではなく、何ヶ月、何年という間を開けて学習することが必要です。

場合によっては役立つやり方

・詳しく調べる

何か勉強するときに、なぜそうなるのか、理由を調べることです。幼児はなんでも「なぜ? どうして?」と知りたがります。そのような好奇心を自分でかき立てるようにすると記憶を高めることができます。

・すでに知っていることを使って自分で説明する

何か新しいことを学ぶときに、すでに知っていることとどう関連するのか、どう役立つのか自分で説明することです。文章読解や詰め碁の学習に役立つことが知られています。ただし、もともと知識がない人の場合にはあまり役立たないかもしれません。

・混合学習

英語なら英語だけのように、一つの課題ばかりやるのではなく、複数の課題、たとえば英語と数学、国語を交互にすることです。それぞれに共通点がある場合にはよく学習が進むことが知られています。もともと数学が苦手な学生の場合には、我慢して数学にとりくむよりも数学と他の教科を取り混ぜながら勉強することが役立つでしょう。一方、基礎知識が乏しい場合は、効果が落ちるかもしれません。

・他に

良いとも悪いとも言えない仕方もあります。

「要約する」は教科書などから重要なところを抜き書きすることです。これでよく憶えられるかどうかはケースバイケースです。「単語と想像を結びつける」はたとえばAppleという単語を覚えるときに、リンゴを思い浮かべることです。確かに英単語などの学習には役立つのですが、記憶が永く残るかというとそうでもないのです。

復習クイズ

次のやり方が効率的な勉強につながれば○、そうでない場合は×を数字につけてください。

1 読書中に重要なキーワードを見つけたらどんどんマーカーをつける

2 重要な指示をずっと忘れない確実な方法は一度読んだ後に直ぐ読み返すことである

3 宿題をするとき数学をして感想文、また数学のように混ぜるようにする

4 教科書を読むとき、すでに知っていることと結びつけるようにする

参考資料:Dunlosky J et. al. 2013 Psychologists Identify the Best Ways to Study, Scientific American MIND September/October 47-53

【答え】1.× 2.× 3.○ 4.○

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