「デイリーハッスル」と「デイリーアップリフツ」
新年あけましておめでとうございます。
皆様、お正月をどのようにお過ごしでしょうか。
お正月は「年神様を迎える」行事と言われています。
門松は家を訪れる年神様の目印のために飾り、しめ飾りは神聖な場所の印、災厄を払う役目があると言われています。
話が変わりますが、ストレス学において、日常生活でのいらだち事を「デイリーハッスル」と呼びます。例えば、道路の渋滞や電車の遅延、職場のいざこざ、夫婦喧嘩、子どもがいうことを聞かないなど、日々の生活の中のほんの些細な出来事がそれにあたります。
一方、日常生活のちょっとした良い事は「デイリーアップリフツ」と呼びます。
例えば、食事がおいしかった、信号でつかまらなかった、仕事でほめられた、子どもの成長を感じられたなどです。
デイリーハッスルはエネルギーロスにつながり、デイリーアップリフツはエネルギー充電やストレス反応の抑制につながるといわれています。
デイリーハッスルを減らして、デイリーアップリフツを増やしていければいいのですが、私たちはつい良くないことをぐるぐる考えてしまったり、一日の終わりに自己反省会を開いたりして、ネガティブなことに注目しポジティブなことを見逃しがちです。
そこで、今年一年はデイリーアップリフツを増やしてみてはいかがでしょうか。
さて、どうすればデイリーアップリフツを増やしていけるでしょうか?
答えは、日々の生活の中で、“当たり前”に起きている事を「良い事」だと気づくことです。
例えば、朝目覚まし時計で時刻通りに起きることができたとか、コーヒーが美味しかったとか、顔にあたる風がここちよかったとか、コンビニのレジで商品を袋に丁寧にいれてもらえたとか、電車で席を譲れたとか。
そして、それを忘れないために『良い出来事日記』をつけてみてもよいかもしれません。1日3つほど「良かったこと、達成できたこと」を書いてみましょう。長く書く必要はなく箇条書きでかまいません。
デイリーアップリフツを増やして日々の生活を充実させQOL(生活の質)を高めていきましょう。
【参考文献】
Cooper, C.L & Dewe, P. 2004 Stress; A brief history (1st ed). Oxford: Blackwell. (大塚泰正・岩崎健二. 他 訳 2006 ストレスの心理学 -その歴史と展望- 北大路書房)