感情が知らせているもの
夏真っ盛り。毎日暑くてイライラしてしまう…なんてこともあるかもしれません。
「イライラする」というのは感情の1つと呼ばれます。
ところで、この「感情」とは何でしょうか。
感情は、哺乳類に共通のプログラムで「何かを知らせる」機能があるといわれます。この機能は、身体感覚と似たようなものです。
たとえば、何か熱いものを触った時は「熱い!」と身体が感じるため、手を引っ込めて火傷を防ぐことができます。「熱い!」という身体の感覚が身の危険を「知らせて」くれるので、あまり余計なことを考えなくても、素早く適切な行動が取れるのです。
同じように、感情にもこうした「何かを知らせる」機能があります。
たとえば「不安」という感情は、「転職先でうまくやれるか不安だ」「将来結婚できるか不安だ」…などというように、「自分の安全が確保されていない」ということを「知らせる」ものです。
何かを「知らせる」という点で、感情は身体感覚と似通っていますが、似ていないところもあります。
身体感覚の場合、よっぽどのことがない限り「熱い!」ものはいつまでも「熱い!」ままでしょう。
一方、感情の場合は、「身の回りに起きたことをどう認識して扱うか」によって、感じ方が変わってきます。とらえ方を変えることにより、感じ方が変わり別の選択肢が見えてくるのです。
先の例であれば、「転職先でうまくやれるか不安」ととらえていたところを、「転職が不安なのは当たり前。
しばらくペースをつかみながら無理せずやっていこう」ととらえ方を変えることにより、感じ方も変わりその後の行動が変わることがあります。
ちなみに「イライラする」というのは「困っている」、「何かがうまくいっていない」サイン。「暑くてイライラする」というのも、「汗で衣服が体に張り付いて不快だ!」とイライラしているのかもしれませんし、「暑さで夜眠れなくて辛い!」とイライラしているのかもしれません。
いまどんな感情を抱いているのか。
その感情が「知らせている」のは何か。
感情と向き合い、その感情のとらえ方を変えることによって、これまでより上手に感情と付き合っていけるかもしれません。
参考
・岩壁茂(2019)アスクセレクション2 恥(シェイム)生きづらさの根っこにあるもの アスク・ヒューマン・ケア
・水島広子(2014)大人のための「困った感情」のトリセツ 大和出版