ストレスケアの秘訣を一緒に考えましょう その1(ケセラセラ2025年2月号 vol.132)
医療法人和楽会 赤坂クリニック
院長 坂元 薫
自分はストレスとは無縁な生活を送っているという人は、おそらく極めて少数派だと思います。コロナ禍を乗り越えてきたといえども、ストレスは増すばかりだという人も少なくないのではないでしょうか。
私が日ごろ考え、そして実践しているストレスケアの方法を数回に分けてご紹介して、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
■「笑う習慣、ユーモアを養っておく」
日々の生活で皆さんは1日に何回ぐらい笑っていますか?そんなこと数えたことなんかないと思われる方も多いかもしれませんね。
「笑う角に福来たる」とはよく言ったものだと感心しています。笑うことがストレス解消につながるだけでなく免疫力も高めることが知られています。医療場面での貢献を目指して「笑い療法士」という資格を持った人たちもいるぐらいです。たとえ深刻な事態であっても、最低限のユーモアは失わない努力をしたいですね。
また「笑いヨガ」が心身によい影響を与えることも知られています。
ところでヨガについては何となく知っていても、「ラフターヨガ(笑いヨガ)」とは聞きなれないのではないでしょうか。笑いとヨガの呼吸法を組み合わせた笑い体操なのです。
ヨガと言っても難しいポーズをとる必要はありません。「ただ笑うだけ」の体操なのですが、おかしくもないのにただ笑うなんて出来ないとか、そんな無理して笑って何の意味があるのかと思われる方も少なくないでしょう。
しかし、笑うことで多くの新しい酸素を自然に体に取り入れ、心身共にすっきりして元気になることができるとされているのです。
脳は作り笑いと本物の笑いを区別できないことに注目したインドの内科医によって提唱されたと言われています。
つまり作り笑いでも脳に対しては、本物の笑いと同等の効果があるというのです。
でも本当は日々の生活で家庭でも職場でもちょっとした冗談、ユーモアなどで自然な笑いがこぼれるようなムードメーカーとなることを目指したいものですね。