ストレスケアの秘訣を一緒に考えましょう(その6)(ケセラセラ2026年2月号 vol.147)
医療法人和楽会 赤坂クリニック
院長 坂元薫
自分はストレスとは無縁な生活を送っているという人は、おそらく極めて少数派だと思います。世間ではいろいろと忌まわしい事件が起きたり、災害級の地震や豪雨に突然襲われたりもします。また国際紛争も勃発し、世界平和の理念が遠ざかるばかりです。
収入は少しも上がらないのに物価ばかりがどんどん上がっていく昨今。そんな物価高に国際紛争による原油高が追い打ちをかける情勢となってしまいました。ガソリンがあっという間に値上がりし、今後さまざまな物価高へとつながっていくのかと思うと気持ちが萎えるばかりです。
そんな収入にしても税金や保険料をいやというほど引かれて残った手取り額を見てため息が出ることも少なくありません。かと思うと、最低でも一泊数十万円、最高に至っては一泊数百万円もする豪華ホテルがオープンしたり、100億円もするタワーマンションの最上階の部屋がすぐに売れたりするなどの話を聞くと、いったい誰がそんな部屋に泊まったり買ったりしているのかと天を仰ぐばかりです。
私の診療の場面では、就活していても、数十社から百社近くにも書類審査で落とされてしまい面接までたどりつかない、などとおっしゃる方も少なくありません。運よく就職できても、職場の人間関係や過重業務、はたまた上司のパワハラなどに苦しみ、こんなはずではなかったと肩を落とされる人々に毎日のようにお会いしています。
そのようにしてストレスは増すばかりだという人も少なくないのではないでしょうか。私が日ごろ考え、そして実践しているストレスケアの方法を前回に引き続きご紹介して、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
■「ささいなことにこだわらず勝ち目のない口論、対決はせず妥協する」
妥協という言葉にはあまり良い響きはないのが普通です。いつも理論武装して、妥協を許さず相手を論破して持論を徹底して貫き通す。そんな生き方も立派です。しかし、どんな場面でもいつでもどこでもそうした姿勢を崩さない努力には限界が生じるものです。ときには負けるが勝ちとはいわないまでも、ことを荒立てず妥協してしまうことも大事ではないでしょうか。そうして得られた心の平穏さや余裕を別の活動に活かした方が、それからの生活がより豊かなものとなるように思います。
■「むしゃくしゃする時は、庭いじり、散歩、ジョギングなど適度に身体を使う」
むしゃくしゃしたり、イライラしたりしたからといって、すぐにこのような対処ができるわけではありません。普段からこういう対処法を考えておき、適度に身体を使う習慣をつくっておくことです。そして、いざというときに実行に移すのです。そして、むしゃくしゃの程度と強さに応じて、どのように身体を動かす対処法が自分にはもっとも効果的であるのかを確かめておくのはいかがでしょうか。そしてそれを次の機会に活かすのです。
このような対処法が万全になっていると、ひょっとするとむしゃくしゃすること自体がほとんどなくなってしまうかもしれませんね。
