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食べる瞑想(マインドフル・イーティング)(ケセラセラ2026年7月号 vol.149)

医療法人和楽会 横浜クリニック
院長 境洋二郎

 歩く瞑想とともに、日常生活で出来そうなマインドフルネスとして、食べる瞑想についてご紹介します。
 食事は私たちが生きていくために不可欠なものですが、忙しい日常生活の中では、無意識に「早食い」や「ながら食い」になりがちではないでしょうか。
 食べる瞑想(マインドフル・イーティング)は、食事の際に五感を総動員し、「今ここ」の感覚に意識を向ける瞑想法です。不安症やうつ病の患者さんにとって、思考が過去の後悔や未来への心配に向かいがちな心の状態を、目の前の体験に引き戻す助けになると考えられています。

具体的な方法
見る:食べ物の色や形、質感をじっくり観察します。
触れる:箸や手で感触を確かめます。
香りを嗅ぐ:鼻に近づけ、香りを感じます。
味わう:口に入れ舌触りや味の変化に注意を向けます。
噛む:ゆっくり噛みながら、噛みごたえを感じ、味や食感がどう変わっていくかを丁寧に追います。
飲み込む:ゆっくり飲み込み、喉を通ってお腹に入っていく感覚を感じます。

食べている途中で、雑念が浮かんだら、それを否定せずに気づき、また食べる感覚に意識を戻します。最初はおにぎりやレーズンやチョコレート一粒など、少量で短時間から始めるのがやりやすいでしょう。この実践は「自動操縦」状態(考え事をしながら食べる習慣)から離れ、反芻思考を一時的に止める効果が期待されます。マインドフルネス全般に共通する効果として、感情や思考を評価せずに観察する力を養い、不安の悪循環を緩める助けになるとされています。また、食事という日常的な行為を通じて取り組めるため、特別な時間を確保しにくい人でも始めやすい利点があります。
まずは1日1回、最初の一口だけでも、様々な考え事から離れ、スマホを置き、テレビを消して、静かに食べ物と向き合う贅沢な時間を体験してはいかがでしょうか。

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