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うつ病にならないための7つのステップ(ケセラセラvol.108)

医療法人和楽会 心療内科・神経科 赤坂クリニック 院長 坂元薫

この原稿を執筆している2022年2月上旬は、新型コロナ感染症の第6波の真っ只中で、東京における新規感染者が2万人を超えた日もあり、一刻も早いピークアウトが待ち望まれる時期となっています。2021年10月から12月下旬までのように東京での新規感染者が1日あたり数十人以下にまで激減していたことが嘘のようです。
コロナ禍による種々のストレス状況からうつ病を発症してしまう人が従前の2~3倍にも増加していることがわが国でも欧米諸国からも共通した所見として報告されています。
今回は、コロナ禍に負けずにうつ病にならないためにはどうしたらよいかを皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。カナダのうつ病の自助グループが作成した「うつ病にならないための七つのストップ」に私の思うところも加味してご紹介して行くこととします。

1.完全主義をやめる
これについては以前もご紹介したことがありますが、とても重要な点ですので、もう一度ご説明したいと思います。
完全主義は決して悪くはありません。しかし、いつでも完全主義を貫こうとしていると、いつか疲弊しきってしまうときが来るのではないでしょうか。いま、自分が抱えている仕事や案件や家事は、本当にすべてを完璧にやる必要があるのでしょうか。多少余力を残す程度に済ませられることがあるのではないか、と検討されてみてはどうでしょうか。もちろん本当に完璧を目指して全力をあげてやるべきこともあるはずです。
しかしそこまでしなくてもよいのではないかと思えるものもきっとあるのではないでしょうか。そうしたことに対しては、この際、上手に手を抜いてみることも覚えてはいかがでしょうか。そうすることによって生まれてくる自由な時間とこころのゆとりを大切にしたいものですね。(ちなみに今回、この文章を書くにあたって、私は完全主義をいかんなく発揮しています(笑))

2.自分のミスに厳しすぎるのをやめる
どんなことにおいてもミスがないように最大限の努力を払うことは、もちろん大切なことですが、多少なりともミスをしてしまうことは誰しもあることです。そうしたミスに厳
しすぎて、ミスをした自分を責めることを続けていると自尊心も失われていくでしょうし、ミスを恐れて新たな行動を起こせなくなってしまうかもしれません。ミスにも様々な程度があります。本当に些細なケアレスミスで、誰にも迷惑をかけたり仕事や生活にほとんど影響を及ぼさないようなミスまでくよくよ気に病んでいるひとはいないでしょうか?そうやって自分を責めるのではなく、次にミスをしないような対策を考えることの方がずっと大事なのです。

3.すべてをコントロールしようとするのをやめる。
日々の生活で関係することすべてをコントロールしようとしないことです。そんなことはなかなか出来ることではありません。短い間であれば多少はコントロールできるでしょうが、いつまでもそんなことが続くはずがありません。コントロールできないことが出てきた時に自分を責めてしまうことは、空回りを招き、うつ病への近道へとなってしまいます。

4.余計な関わりをもつのをやめる。
いろいろなこととの関わりがたくさんあることは決して悪いことではありません。たとえば、趣味のサークル活動などは、仕事から離れて、非日常的な楽しみをもたらしてくれることでしょう、そうした活動が生きがいを感じさせてくれるかもしれません。
一方、思わぬ煩わしい人間関係が生じてしまい、かえって苦痛になってしまうこともあるかもしれません。
また、引き受けなくてもよい役割を受けてしまい、あとでそれが大きな負担になって、本業にも影響してしまうなどということもあるのではないでしょうか。周囲から見るとそこまでして趣味の活動をしなくてもよいとも思うのですが、その世界にどっぷりとつかってしまうとなかなかそう思えるものではありません。そうした場合は、周囲の方の意見も聞いて、少しそうした関わりを減らすことを考えた方がよいときもあるでしょう。
また、今日は顔をださなくてもよい会合やパーティなどであっても欠席する勇気がなくて無理をして参加していることはありませんか。無理をして参加してみたら、思いのほか楽しかった、少々無理をしてよかったと思えることもあるかもしれません。また思わぬ出会いがあって人生が豊かになったということが起きるかもしれません。そういう場合には、一見余計とも思える関わりを持ってよかったということになります。ですから、何が余計な関わりで何が余計ではないかという判断は意外に難しいものですね。

5.自分の体調や健康を無視するのをやめる。
そうした「何が余計で、何が余計ではないか」の判断のひとつの目安は、自分の体調や健康状態と相談することではないでしょうか。今日は、あまり体調が良くないと思ったり、どうしても気乗りがしないなどという時は、それを無視することをやめて、会合やパーティを欠席してもよいのではないでしょうか。自分の体調や健康状態と相談することを忘れないことです。

6.見栄を張って助けを求めないのをやめる。
こんなことでひとに助けを求めたら恥ずかしいとか、いまさらこんなことは聴けない、そんなことをしたら面目がつぶれてしまうと思うこともあるでしょう。しかし、いつもそんな見栄を張っていないで、時にはきちんと周囲にヘルプを出すことも考えませんか。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」となることだってあるのです。普段から、困った時のことを想定して、どのように助けを求めるかのイメージトレーニングを積んでおいてはいかがでしょうか。

7.ストップして自分や家族のために時間をとる。
そして、日々の生活でどれだけ自分のためや家族のための時間をとっているかをもう一度ふりかえってみませんか。仕事に追われて自分が楽しめる時間などほとんどないことがはっきりすることもあるでしょう。
また家族とともに過ごした時間などほとんどないことにいまさらながら気付くかもしれません。しかし、ここで今一度、「ストップして自分や家族のために時間をとる」ことを考えてみませんか。
この7つのストップは、全国各地を講演でまわるたびにいつも紹介しているものです。そのたびに思うのですが、自分自身がはたしてどれだけこれらをストップできているかと。確実に出来ているのは、実は「自分のミスに厳しすぎるのをやめる」ぐらいのものでしょうか。そのほかのストップは、実行に移すべく日々努力をしている最中なのです。そうやって、私自身もうつ病予防に努めていることを白状いたします。

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