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パニック症の脳内活動 認知行動療法による脳内活動の変化 ―大学院時代のPET研究―(ケセラセラ2024年5月号 vol.123)

医療法人和楽会 横浜クリニック
院長 境洋二郎

前回に続きまして、大学院で行いましたパニック症(パニック障害)の患者さんに参加頂きました研究についてです。

パニック症の治療では、薬物療法と認知行動療法(cognitive-behavioral therapy :CBT)の有効性が知られています。この研究では、薬物療法を行わず、認知行動療法で治療を行い、治療が有効であった11例の治療前後の脳内のグルコース代謝の比較を行いました。
治療前後で、脳内のグルコース代謝が増加、つまり脳内の活動が上昇した部位は、図1に示しますように、両側の内側前頭前野でした。

また、治療前後で脳内のグルコース代謝が低下、つまり脳内活動の低下が図2の右海馬領域で見られました。

ケセラセラ2023年9月号にも示しました「パニック症の神経解剖学的仮説(図3)」の中で、認知行動療法は、海馬での文脈性恐怖条件付けの消去により恐怖症性回避を減少させ、内側前頭前野の機能強化により認知誤帰属と異常感情反応を減少させる効果があるとされています。そしてこの研究で、海馬領域の活動低下と、内側前頭前野での活動上昇が、実際の患者さんの脳内活動の変化として確認されました。

したがって、有効な認知行動療法を行うと、内側前頭前野や海馬の活動性の変化が生じ、扁桃体を中心とした恐怖関連ネットワークの活動の安定化につながり、これらの脳内の活動の変化が、パニック発作や予期不安の改善につながっていると考えられます。認知行動療法を行い症状の改善が得られた方や、現在その治療中の方が、普段の生活でパニック発作や予期不安などの症状や治療過程における変化を、脳内活動の変化として自覚することはできませんが、前頭葉の機能が強化され、不安や恐怖の記憶や症状と関連のある海馬や扁桃体をコントロールして症状が安定化していると想像して頂くと、治療効果を違った側面から感じて頂けるかも知れません。

参考文献:Sakai Y, Kumano H, Nishikawa M, Sakano Y, Kaiya H et al. Changes in cerebral glucose utilization in patients with panic disorder treated with cognitive-behavioral therapy. Neuroimage. 2006 Oct 15;33(1):218-26.

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