
色の効果 癒される色とは?
3月には雪が降って都心でも積もるほどでしたが、徐々に春めいてきました。街を歩いていると桜色や桃色などピンク色を多く見かけます。ピンクは桃、桜、花などを連想させる他、春をイメージしやすいのだそうです。
ところで、色とは何か、色は人にどんな影響を与えるのか、それを研究する色彩心理学という学問をご存じでしょうか。
色についての研究が始まったのは紀元前4世紀頃。アリストテレスが『色彩論』を記し、その後の色彩文化に影響を与えたのが発端と言われています。18世紀にはゲーテが、ニュートンの『光学』に反論して『色彩論』を発表しました。色が人にどのような影響を与えるかに注目し、体験を中心に観察することを考えたのです。このことから、ゲーテが「色彩心理学」の基盤を作ったとされています。
色彩心理学では、赤・橙系の色は暖かく感じるので暖色、青系の色は寒く感じるので寒色、緑系・紫系の色は中間色とよびます。ある実験でインテリアが暖色の部屋と寒色の部屋を比較した所、体感温度が2〜3度も違ったと報告されています。
色で体感温度が変わるなんて驚きですね!
他にも色がもたらす効果が示されています。
人は青色を見ると、セロトニンというホルモンが分泌されてリラックス効果が得られます。青は疲れている時に効く色、癒しの色といえます。
また、青の効果はリラックスさせてくれるだけでなく、眠りを誘う色でもあります。セロトニンは、眠りに導くメラトニンというホルモンが作られる材料になります。そのため寝具は、淡い青を中心とした色にすると快適な睡眠が期待できます。
しかし一方で、青には体感温度を下げる作用もあります。冷えやすい体質の人には、身体を温める作用のある、淡いピンクなどの暖色系の寝具がおすすめです。
色の効果についてみてきましたが、いかがでしたか?
色を使って季節を感じたり、自分の好きな色に囲まれて気分をよくするのも素敵ですし、その時の体調や疲れ具合によって色のもつ効果にあやかるのも良いかもしれませんね。
参考:
『色のパワーで心も体も元気になる!人生が豊かになる色彩心理』宮田久美子(監) ナツメ社