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第5回マインドフルネス・リトリート2016 in蓼科 体験記(2)

前回に引き続き、2016年8月26日(金)~28日(日)に開催されました、「第5回 マインドフルネス・リトリート2016 in蓼科」にご参加いただいた方の体験記をご紹介します。

◆◇◆ 参加者の方の体験記 ◆◇◆

2016年8月26日(金)から28日(日)の3日間、私は、赤坂クリニック主催のマインドフルネス 蓼科リトリートに参加させて頂きました。今回、参加させて頂くにあたり、昨年、リトリートにご参加された方々から、いかに素晴らしいかを伺い、私も、少しでも私自身の治療が進むことと、少しでも人生や人間性を変革、向上させたいと願い、参加させて頂きました。今般、蓼科リトリートに参加させて頂き、大自然に抱かれ、素晴らしい体験をさせて頂き、心より感謝致します。都会の喧騒を離れ、赤坂クリニックのマインドフルネスの先生方やスタッフの方々の大きな深い愛情に包まれ、安心して、己と向き合い、多くの気づきと学びがございました。その感動を伝えたく、体験記で、より多くの方々に、蓼科リトリートを知って頂きたく、筆を取らさせて頂いております。

リトリートとは、パソコンでネット検索すると、様々な定義があるようです。私がしっくりと行く定義は、次のようになります。

「リトリートとは、日常のストレスのない環境でゆっくりと過ごし、リラックスした時間と空間で、体や心の動きのバランスを調整、自然との調和の中で、心身共にリフレッシュすることです。」

 

今回、蓼科リトリートの参加者は8名と少数でした。では、どのように、私達8名が自然との調和の中で、心身共にリフレッシュしたのでしょうか?
その前に、私が何故、どのような経緯で、赤坂クリニックにお世話になることになり、蓼科リトリートに参加することとなったのか、それまでの経緯をお話させてください。

私は、長年働いた会社で、とある事件が起き、その後、ある日、朝起きて出社することが出来なくなりました。数日間、全く起き上がれない日が続き、今後、どうするか、悩んでいたところ、友人から勉強会の案内メールが届き、この友人に相談しました。友人は、心療内科に行って相談した方が良い、ちっとも恥ずかしくないとアドバイスされました。私は、数年前に離婚しており、離婚した元家内がパニック障害患者でした。結婚当初、すぐに治ると思っていたのですが、薬物の服用の仕方が自己流で、アルコール依存症、うつ病、統合失調症と年数が経過する毎に悪化しました。それを見ていたので、心療内科に行くことには抵抗がありました。

そんな中、ある日、日経新聞を見ていると、赤坂クリニックでマインドフルネスというヨガと冥想を行っており、それが精神的な病気に効き目があると新聞に掲載されているのを見つけました。友人の勧めもあり、思い切って、通院してみました。診断によると、私のケースでは、薬による治療より、マインドフルネスに毎日通う方が、治療効果が高いとおっしゃって頂きました。

さらに、マインドフルネスとは、単なる精神障害の治療に効果があるだけではない。人間そのものが生まれ変わり、人生そのものが変わる。坐禅を行う中で、宇宙と一体になったり、体の中が空洞になったり、悟りをひらくように感じる患者さんも数名いるんだ。マインドフルネスで生まれ変わって人生を変えてみろと先生におっしゃって頂いたことが衝撃的でした。

 

当初、マインドフルネスが何かわからず、ましてや、その治療効果に疑問符がついている状態でした。しかし、このまま、何もせず、どんどん症状が悪化し、より深刻な精神障害へと進んでしまっては困る。他に対策が思い浮かばないので、まずは、マインドフルネスに毎日のように通うしかないと、ワラをもすがる思いで、昨年11月中旬から通いはじめました。最初の1~2週間は通うこと自体に慣れることで精一杯でした。そのうち、先に通いはじめている先輩の方々や同時期に通いはじめた方々と自然と知り合いになり、彼らの体験談を伺うにつれ、これは凄いのかもしれないと感じ、必死に取り組みはじめました。関連書籍も10冊以上拝読し、貝谷先生、熊野先生はじめ日本人の先生方、マインドフルネス創始者であるジョン・カパットジーン、第一人者である、ティク・ナット・ハン師、ラリー・ローゼンなど外国人著者の書籍いずれも素晴らしく、逐一、感動し、マインドフルネスの理論的な学習から実践的な学習へ身が入りました。これは凄いと。

今に留まる。評価せず、ありのままを受け止める。気づく。この単純な3点を身につけることが、いかに凄いことか、その意味が分かりはじめ、その効果も徐々に実感する毎日でした。お釈迦様が説いていたことが科学的にどのような意味をもっていたのかも分かりはじめ、知的欲求も刺激され、毎日がとても楽しくなりました。次第に、私自身がとてもつらい思いをしたので、同じように、精神的につらい思いをしている多くのビジネスマン達を助けたい。そういう仕事もしたいと思いはじめるようにもなりました。マインドフルネスをはじめて1か月から5か月位の約4か月は治療も進み、何より、「パパ、性格が変わったね」と高校生の娘にマインドフルネス開始から半年後に言われ、その実践と学びが習熟したかに見えた日々でした。このまま、仕事に完全復帰できそうな気がしている矢先でした。

そんなときでした。突然、70歳台後半の父親の体調が極度に悪化しはじめました。健康だった父は、突然、自分だけでは歩けなくなり、車椅子での通院が必要となりました。田舎の両親から、私は、父の通院を手伝ってほしいと頼まれ、父を病院に診察に連れていくことになりました。4~5件、病院を回ることとなり、最終的に、ステージ4の末期癌と診断されました。これ以上、治療は出来ませんと宣告され、緩和ケア病棟に入院せざるを得なくなりました。父としては、末期癌であっても、最期の最期まで直すつもりで、本人なりの数か月の闘病生活となりました。週末中心に週2回、父の病院へ行きました。そして、段々、身動きを取ることが困難になってくる、父の介護・看病を手伝いました。約3か月、父は闘病生活を続けましたが、最終的に他界し、葬儀、各種後処理などが父の他界後に続きました。

それも数週間で落ち着きました。気づいたら、約4か月間、折角、身につけはじめた、マインドフルネスの実践がなおざりとなっていました。葬儀等が落ち着いた後、また、朝起きれない日々がはじまりました。この約10か月間、私は何をやっていたのだろうかと落ち込みはじめた。そんな矢先の蓼科リトリートでした。

 

さて、蓼科リトリートでは、まず、初日に、蓼科の宿泊先に到着し、その建物を見た途端に、何か大きなインスピレーションを感じました。何にインスピレーションを感じたか、後に判明することになりますが、当初は分かりませんでした。

宿泊先の建物は、元芸能人が所有していた築年数が20年以上のペンションで、元々、ペンションなので、個室がたくさんあり、1部屋で2名ないし4名泊まれる部屋です。これに全員1人1部屋で泊まりました。また、全室トイレがついていました。ウォシュレットに変えたばかりだそうで、とても綺麗な新品状態でした。トイレ掃除も含め、部屋の掃除を最終日に行いましたが、我が家のトイレと比較すると、私が3日間使用したことがはじめてのトイレのようで、ほとんど汚れらしい汚れがない位、とても清潔なお部屋でした。

初日のカリキュラムは、ガイダンスで諸注意事項をご説明頂いたあと、貝谷先生の奥様のご指導による、生花を花瓶に活けることからスタートしました。これが、男性の私は、普段、かようなことはやらないので、とても新鮮!20種類位の花から自由に自分が活けたい花を選び、花瓶に活けました。各々、思い思いに花を活けたあと、奥様から、ご子息の40年位に亘る筋ジストロフィー者人生を語って頂き、涙が出そうになりました。ご子息は、ご自身の運命を一度も卑下したことはなく、運命をそのまま受け入れ、ご自身の出来ることを行っており、10月10日祝日にご子息主催の障がい者の自作自演のゴールドコンサートを企画なさっていると伺い、驚きと共に、奥様と私と同世代のご子息への敬意の念を禁じえませんでした。生花を活けた花瓶は、各自、おのおのの部屋へ持ち帰り、3日間、部屋を彩ることとなります。これが、とても良かった。

その後、庭を散歩しました。そこで、時期柄、蝉の抜け殻を多数見つけました。良く見ると、蝉の抜け殻は、とても堂々としていて、カッコいい。それを手に取って眺めると、蝉の抜け殻は、通常だと、「空っぽ」の意味に取れるかもしれません。「空っぽ」とは、中身がない人間とか、良い意味ではないかもしれない。ただ、私は、その「空っぽ」を「空」ではないか。仏教で言う、欲望から解放された「無欲」ないし「無心」の状態と意味付けし、さらには、「脱皮」、つまり、「一から生まれ変わる」、という意味に捉えました。

一度、身につけはじめた、マインドフルネスに固執せず、初心に帰って、当初、主治医の先生がおっしゃって下さった、「マインドフルネスは単なる治療効果だけではない。生まれ変わって人生を変えるんだ」の一言を思い出し、今回のテーマは、やり直しではなく、再度、一からはじめるというではないかと考え、この蝉の抜け殻が象徴的であると感じ、部屋へ持ち帰りました。この蝉の抜け殻、部屋で眺めれば眺める程、勇ましい。虫や鳥、植物など、自然が我々人間に教えてくれる。そんな一例です。

 

蓼科リトリートでは、いつものように、毎日ヨガと冥想を行うのですが、天気の良かった初日と3日目は、ペンションの1階、庭先にある、広い板の間の上で、ヨガを行いました。ヨガのカリキュラムは、赤坂クリニックのビル8階 赤坂マインドフルネス・センターにご参加されたことのある方ならご存知のおなじみの内容です。胡坐の状態から身体感覚を感じ、足首を回し、手首と足首で握り合い、足を延ばし等々、足が完了したら、腰、体幹部、首、バランスのポーズと順番に身体の各部位をほぐし、最後に、死体のポーズ、シャバーサナで締めくくる内容です。

緑に満ち溢れる、山奥の大自然。虫と鳥が鳴く中、マイナスイオンに包まれ、心地よい。いつも、シャバーサナでは、目をつむり、ゆっくりと身体がリラックスしていく様子を味わうのですが、今回だけは、目を閉じるのが勿体ない。草木、青空、雲の動きなど大自然を眺めながら、身体のリラックス感のみならず、自然に溶け込む感覚を味わおうと試みました。マイナスイオンの空気の味、虫の音、鳥の鳴き声、地上1000m以上の高山の空気が薄い感じ、気温25度位でしたでしょうか、都内の30度を超す灼熱地獄と異なる、ひんやりした感じ。とても気持ち良かったです。ガイヤ。愛に溢れる大地、地球と、天空広がる、青空、その先の宇宙。。。我々人間とは、地球と宇宙の間にいる存在。。。そんな壮大なことも実感できる蓼科の大自然、屋外でのヨガ。。。最高でした。。。

お風呂は、毎日夕方、近くの温泉に行きました。ゆっくりと温泉に浸かり、リラックス。私は2日目の温泉が、少し奥まった場所にあり、秘湯っぽくて、とても好きでした。2日目は、ほぼ終日、雨が降り、霧がかっており、まさに、幻湯。。。仙人が出てきそうな感じ。そんな中で、貝谷先生、洋介先生、男性参加者の方々と裸でお付き合いさせて頂きました。詳細は記述できませんが、日頃、お話を伺えないような内容も教えて下さり、とても勉強になりました。

坐禅は、ペンションの中で行いました。曹洞宗の方式で、壁に向かって、実施しました。曹洞宗流、約40分の1炷目を坐りました。就寝時間は夜22時位、起床は早朝6時45分で、朝7時にヨガからはじまります。睡眠時間がたっぷりあり、ゆっくりできます。私は、睡眠時間が勿体なく感じ、就寝前、大体40分~1時間、朝も20分~1時間は部屋かベランダで坐っていました。この習慣を東京に戻ってからも続けたいと思っています。

 

就寝時間前に、ビデオ観賞会を行いました。初日の夜は、ティク・ナット・ハン師のNHK特集、テーマが戦争についてで、前後半ある前編のみ。2日目の夜は、NHKのスーパープレゼンテーション、ハーバード大学で最も長期に亘る、70年以上の研究テーマである「幸せについて」。ご覧になられた方々も多いかと思われます。ティク・ナット・ハン師のビデオは、私が4か月前から赤坂クリニックで貸し出して頂くことをお願いしていたのですが、見ることが出来ませんでした。その意味が当日分かりました。今回の蓼科リトリートで8名の素晴らしい方々とみる為に、神様がとっておいてくれたのだと。

ティク・ナット・ハン師のビデオの中で感銘を受けた点は多々ありましたが、そのうち、今回の蓼科リトリートで、特に感動した点をいくつか記述させてください。

ティク・ナット・ハン師はベトナム人です。ビデオの中で、ベトナム戦争当時、彼の高弟が身を以て反戦を示す為に、大衆の前で、坐禅をしながら、油をかぶり、涼しい表情で焼身していく映像が登場しました。ティク・ナット・ハン師がそのことにショックを受け、数か月間、怒りからうつ状態となったそうです。毎日毎日歩行冥想を行い、怒りを鎮め、うつ状態から回復したとのことが紹介され、とても驚きでした。更に、彼の親友である、マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたときも、数か月間、ショックのあまり病気になったと。

あれ程の高僧である、ティク・ナット・ハン師が落ち込んで崩れることがある。そして、冥想などマインドフルネスの実践によって、そのたびに何度も、一からつくりはじめ、立ち上がって回復している。あ~、我々、凡人、凡夫は、いわんをや、である。このことに気づかせてくれたのは、ビデオ鑑賞後のシェアリングです。シェアリングの席上、聡明なひとりの参加者が皆に発言してくれたのです。私にとっても、今回の蓼科リトリートのテーマが、「一からつくりはじめる」でした。彼が言うには、何度でも、失敗して、落ち込んでいいんだと。また、一からはじめればいい。ティク・ナット・ハン師でさえ、そうなんだ。勇気を頂きました。

素晴らしい8名の参加者の皆さんとビデオ鑑賞しないと、明確に、こんな素晴らしい気づきを、私は認識できなかったかもしれません。

もうひとつ。私は、ティク・ナット・ハン師の書籍を5冊は拝読していました。怒りと恐怖は同じであるという点は伺っておりました。これは、冥想によって、消し去ることは出来ないが、冥想によって、怒りと恐怖を優しく抱きしめ、慈悲の心に変容できると説いている点も知っていました。しかし、怒りと恐怖を優しく抱きしめとは、どうやるんだろうと、ずっと疑問でした。しばらく、そのことは忘れていたのですが、今回、ビデオでも、ティク・ナット・ハン師は、そうおっしゃっており、改めて、その疑問点を思い出しました。最終日、3日目の朝、そのときが来ました。

洋介先生の2歳になるご子息が、早朝、ヨガを行っている際に、インストラクターの洋介先生のところへ遊びに来ました。普通、お父さんが職場でお仕事をしているとき、子供が遊びに来たら、父親はあっちへ行けと怒ります。ところが、洋介先生は、いつもより多めの汗をかきながらも、ご子息のことを怒鳴りもせず、器用に、ご子息を優しくご自身の膝の上に抱えて、我々へのヨガの指導を継続なさいました。あ~、これだと。。。ご子息は怒りと恐怖。怒りと恐怖である、我が子を膝の上に抱きかかえるようにすればいいんだ。私自身の心の膝の上に、私の怒りと恐怖を、まるで幼き我が子を抱きかかえるように抱きかかえればよいのだと。。。

もし、自宅で、ひとり、ティク・ナット・ハン師のビデオを鑑賞していたら、こんな気づきと学びを得ることは出来ない。まさに、集団で実践するリトリートの凄さを実感した瞬間でした。小さな先生に感謝です。

 

2日目の午前、貝谷先生の講義がありました。コスモ・セラピー。宇宙は無であり、無限である。すべてはつながっている。2を10回乗じると1000人超える。10代前にさかのぼると先祖が1000人以上。平安時代までさかのぼると、全員、親戚。命のリレー。皆、つながっているんだ。宇宙の年齢138億年。その雄大さと比較すれば、悩みはちっぽけ。おおらかに生きよう。そんな内容であったと思います。参加者一同、勇気つけられました。その後、散歩に行きました。大雨の中でしたが、森林浴を楽しめました。

2日目の夕飯は、貝谷先生の奥様の手料理でした。とても心がこもっていて温かいミートソースパスタでした。普段、私は、とあるスポーツをやっている関係上、体重を一定水準以下に維持するため、ダイエットをしており、炭水化物は控えめにしています。しかし、余りに美味しく、パスタをお代わりしてしまい、2皿を頂戴してしまいました。奥様、本当に有難うございます。帰京後、調整し、なんとか元の体重に戻しました。

その2日目の夕飯後、宿泊先の建物は元ペンションらしく、大きな暖炉が1階にあり、これを利用して、ファイヤーフェスト、つまり、護摩焚きを行いました。具体的には、各自、願いや念い、怒りや恐怖、不安事などを紙に好きなだけ書き、願いや念いは叶うように、怒りや恐怖、不安事は消し去るように祈りながら、その紙を燃やす。

実は、私は、友人から、私が嫌いな人の頭にくる点や、その罪状をくどくどと紙に書き、燃やして、灰を川や海に流すと、その怒りや恐怖が消える効果があると伺い、1か月位前に、約60ページに亘り、私の嫌いな13名の事をくどくどと紙に書き、自宅近くの運河の脇で、夜中の1時位に燃やし、その灰を流し去りました。ところが、その結果、私の怒りと恐怖が消えるどころか、却って、心の中に隠していた部分まで、全部出てしまい、気持ち悪くなり、体調がひどくなりました。私の友人にそのことを相談すると、それは、完全に消え去るまで、何度でもやるといいと言われていました。ただ、一度、実施して、体調がおかしくなったので、2度目は、私だけでは実施する勇気がございませんでした。今回の護摩焚きは千載一遇のチャンス。紙に書く時間が確か40分位しかなかったので、60ページも再度、紙に書く時間がなかったですが、その時間内で、6枚位に要約して書き上げました。夢やお願い、念いも4枚にまとめて追加し、全部、紙飛行機に折って、暖炉に投げ込み、焼き尽くし、焼き尽くす間中、必死に祈祷しました。その甲斐あってか、嫌いな13名が6名に減って、7名に対する怒りが消えたように感じることが出来ました。これも、リトリートならでは、と実感しました。

 

2日目の夜は、とても実りが多い。これだけではなかったです。

夕食後、護摩焚きをして、初日夜同様、ビデオ鑑賞をしました。先程、申し上げましたように、NHKのスーパープレゼンテーション、ハーバード大学で最も長期に亘る、70年以上の研究テーマである「幸せについて」です。このビデオでは、1940年代、第2次世界大戦前、アメリカ人約650名に協力してもらい、彼らのその後の人生を定期的につぶさに記録したそうです。金持ち階級、貧乏人階級、それぞれから選び、人生を辿る。成功し、アメリカン・ドリームを実現した人もいるし、没落した人もいる。平凡に終わった人もいれば、大統領になった人も1名いたそうです。

そこで、彼らの所得・財産、地位、友人関係、家族関係、会社、会社関係、その他人間関係など全て年度毎に調べ上げたそうです。その結果、人間にとって、最も幸せに感じることは、所得、財産、学歴、地位、名誉などではないそうです。若い頃、多くの人々がそれらを追い求め、努力しますが、幸せには全く無関係だという結果だそうです。

では、何が、人間にとって、最も幸せなのか?

それは、人間関係、人と人とのつながりに満足されている人が最も幸せだという結果になったそうです。人と人とのつながりに最も労力を費やしている人の方が、幸福度が高いという結果です。大衆の中でも孤独を感じることがあり、ひとりでいても人とのつながりを感じる人もいる。友人の数やSNSのフォロアーの数などとは関係ないそうです。

では、私は、このビデオを見たとき、さて、人と人とのつながりが満足しているとは、どういうことなのかと疑問に思いました。司会者がこのことについてハーバード大学の担当教授に質問してくれました。その答えは、人と人とのつながりが満足していると本人が実感している状態だという回答で、私としては、全く腑に落ちませんでした。ところが、就寝前のシェアリングで、某聡明なご参加者のおひとりが、満足する人と人とのつながりって、僕は、本音を言える間柄、もっと言うと、弱音を吐くことが出来る間柄だと思うと言ってくれて、とても腑に落ちました。あ~、本音、弱音を吐ける人がどれだけいるかが、人間の幸せなんだ。と考えると、とても良く理解できました。これも、リトリートならでは、といえます。

本音・弱音吐ける力をいかに磨くかも大事だと思いました。誰にでも、本音・弱音を全て曝け出して吐くことは出来ない。でも、ある程度なら出来るかも。それと、吐いても良い人がいたら、その人は、本当に大事にしないといけない。そういった努力を私は怠っていたかもしれないと、とても反省しました。今後は、努力しよう。そう誓いました。同時に、ひとりでいても、人とのつながりを感じることが出来ると素晴らしいとも思いました。未だよく分かりませんが、例えば、神仏やご先祖様、自然、地球、宇宙などとの対話でしょうか。

 

さて、2日目の就寝時間となりましたが、その前に、夜、約40分、就寝前に、私の個室でひとり冥想していました。最後10分前位でしょうか。突然、毘沙門天王のような怖い神仏が大きな刀のようなものを持って、私に近づいてきました。しばらく、逃げ続けてましたが、その神仏が逃げるなと怒鳴るので、大人しく坐していました。すると、その毘沙門天王のような神仏が大刀を振りかざし、私の背後から、脳天から背中にかけて、大刀を振りおろしました。とても恐ろしく、私が完全に真っ二つに割れるかと思いきや、後頭部から背中半分まで割れて開きました。その中にもうひとりの私が居て眠っていました。あ~、これは、蝉の抜け殻だ。今の私は、蝉の抜け殻。その中に、本当の私がいる。その本当の私がこれから外へ出るんだ。という感覚を味わいました。今まで体験したことがないような不思議な体験でした。

文中、貝谷先生が普段診察やマインドフルネスのご指導ではお話頂けないエピソードもお聞かせ下さると申し上げました。ひとつだけお伝えします。それは、今回の蓼科リトリートの建物を購入に関しての経緯です。この建物は、昔の某コーラスグループの方がペンション経営をするために建てたそうです。一方、貝谷先生はドイツに奥様と一緒にお若い頃、留学された経験がおありのようです。ドイツ留学時に、あるドイツの建物を見て、素晴らしいなと思い、奥様が絵に描いていらして、その絵画をお持ちでした。ドイツ留学からの帰国後、とある経緯で、その某コーラスグループの方が精神的な障がい者となり、ペンションを手放したい。ついては、貝谷先生に購入してほしいとの話があった際に、奥様と蓼科に建物を下見に来たとき、お二人で驚いたそうです。あっ、この建物は、ドイツで見たことがあると。そう、それは、奥様がこんな建物が欲しいなという念い、願いを込めて描かれた絵画でした。そして、それは、お二人の夢であったとのことです。

夢は、念い描けば、必ず実現する。そして、人のご縁、つながりは、とても大事だと。夢とご縁は大事にしなさいという教訓を分かりやすく教えて下さったエピソードです。冒頭、蓼科リトリートの建物を見たときにインスピレーションを感じたと申し上げました。それは、男子たるもの、この位の建物を持てる位、頑張らないといけないな。夢とご縁、つながりを大事にして、その念いを実現させる。この建物は、その象徴でした。きっと私は、その象徴としての念いに、インスピレーションを感じたのだと気づきました。そして、この元ペンションの建物は、かような経緯により、我々のような患者が使用するのが最も良いのだとの貝谷先生のお言葉に無償の愛を感じました。

 

さて、ここまでご一読下さった方には、長い文章にお付き合い下さり、心より感謝致しております。私は、まだまだ、マインドフルネスでは、ひよっこです。まだまだ修行が必要です。それは、毎日毎日マインドフルネスを実践し続けることだと考えます。私が私自身の殻を破り捨て、一皮むけるように、明日から、何度失敗しても、何度でも、再度、私のマインドフルネスを、一からつくりあげる覚悟が大事であり、それを実際に実践し、精進し続けることが肝要だと学んだことが最大の収穫かもしれません。ただ、本当に多くの大事なことを気づき、学ぶことができました。とても貴重な3日間でした。

 

さあ、明日からの人生に、いかに活かすことができるか?古い抜け殻から脱して、新しくなって大空を羽ばたけるか?

 

最後に、私が上述のようなことを要約して3日目最終日のシェアリングで皆さんに申し上げた後、貝谷先生の奥様がおっしゃってくださった一言が忘れられません。その一言をお伝えし、この2016年夏の蓼科リトリート体験記を締めくくりたいと思います。

「あまり偉くならなくていいのよ。身の回りにいる人達が楽しく喜んでもらえる人になりなさい。」

 

追記 私にとって、おそらく、一緒にご参加下さった8名全員の方々にとっても、同じように感じて下さっていると思います。このリトリートは、プライスレス。。。つまり、お金に換算することの出来ない、極めて貴重な体験でした。

貝谷先生と奥様、洋介先生と明日香先生ならびに小さな先生方、小松先生、岸野先生、スタッフの皆様方、本当に筆舌尽くしがたい、素晴らしいリトリートを企画、運営して下さり、また、数々の教えをご教授下さり、皆様の優しさ、温かさが身に沁みて、感謝の言葉が見つかりません。このような素晴らしいリトリートを今後も継続して下さるよう心より願っております。そして、多くの患者さん達がマインドフルネスによって救われることを切に願っております。

 

Sさん(仮)

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