誰かが不機嫌そうにしていると、「自分が何か悪いことをしたのかな」と気になったり、相手が困っていると「自分が何とかしなければ」と頑張りすぎたりすることはありませんか。
相手を思いやることは大切ですが、相手の気持ちや問題を、すべて自分が引き受ける必要はありません。
そんなときに意識したいのが、人との間に「境界線」を引くという考え方です。境界線とは、自分と相手、それぞれの気持ちや責任を区別するためのものです。例えば、相手が不機嫌なとき、自分の言動を振り返ることはできます。しかし、相手がどう感じ、どう行動するかまで、自分で決めることはできません。
ただし、実際の人間関係では、「これは自分のこと」「これは相手のこと」と、いつも明確に分けられるわけではありません。自分の言動が相手に影響することもあれば、互いに協力して解決する問題もあります。自分と相手の間には、はっきりと線を引けない「あいまいな領域」もあるのです。
だからこそ、人間関係で迷ったときは、
「これは自分が引き受けることだろうか」
「相手に任せてもよいことは何だろう」
「自分にできることは何だろう」
と、少し立ち止まって考えてみてください。
誰かの力になりたいと思っても、自分に余裕がないときには、無理をせず、できる範囲で関わってもよいのです。
相手を大切にすることと、自分を大切にすることは、どちらか一方を選ぶものではありません。境界線を意識することは、相手を遠ざけることではなく、自分と相手の違いを尊重しながら、必要なときには支え合うことでもあります。そのときどきで、お互いを尊重できる距離を少しずつ探していけるとよいですね。