和楽会の各クリニックでは、お悩みの病気の症状・お薬について患者さんにご説明させていただく機会を設けております。

当院では「ガイダンス」と呼び、希望される方々を集めて臨床心理士の方からお話させていただくものです。基本的に毎週開催しておりますのでご予約も随時承っております。

本日はこのガイダンスについて、担当させていただいております野口心理士・石井心理士のほうからご案内させていただきます！

よく知らない病名を聞かされたら、誰でも「自分はいったいどういう病気にかかり、これからどんな治療をしていけばいいのだろう？」と心配になりますよね。ガイダンスでは、そのような治療に対する心配事を小さくして、できるだけ治療がスムーズに進められるように、症状や治療法の説明、治療の流れ、治療をする上でのポイントなど治療に役立つ情報を心理士より説明させていただいています。

ガイダンスは非定型うつ病、パニック障害、社交不安障害の３種類あり、毎週土曜に開かれています。今回は、それぞれのガイダンスについて、詳しくご紹介させていただきます！

非定型うつ病の場合、典型的なうつ病と症状が異なるため、ご本人が病気と知らずに苦しまれていたり、ご家族が病気と理解できないことが少なくありません。そのため、ガイダンスでは典型的なうつ病との違いや症状による悪循環、症状に影響しただろう要因についてスライドを使って説明をしています。また、治療を始めるにあたり、薬物療法に対して不安を持たれていたり、どのような治療法が自分に必要なのか悩まれていたりする方も多いので、治療に使われる代表的なお薬の特徴と副作用、一般的な服用期間、服用に関する注意事項、カウンセリングのご紹介、症状を回復させるコツなどもお話します。さらに、ご家族のサポートは非定型うつ病から抜け出す大きな力になりますので、治療に向けてご家族にできることを簡単にまとめてお伝えしています。

パニック障害の場合、パニック発作、予期不安、広場恐怖の特徴とともに、パニック障害を火山にたとえながら症状の悪循環や原因を説明していきます。また、二次的に出てくるうつ症状を見逃さないこともパニック障害の治療においては重要となるため、その特徴についても説明をしています。お伝えする内容は違いますが、薬物療法に関する説明やカウンセリングのご紹介は非定型うつ病のガイダンスと同じ流れでお話をしていきます。さらに、パニック発作が起きたときの対処法、予期不安が強いときの対処法などご自分で症状をコントロールするのに役立つ情報もお伝えしています。

社交不安障害の場合、対人恐怖症やあがり症といって、皆さんにも馴染みある呼び名がありますね。また、どんなかたでも、大勢の人前に立つときには緊張するものですので、自分の本当の辛さはわかってもらえないのではないかと、人知れず悩んでいるかたも少なくありません。ガイダンスでは、どんなサブタイプがあるのか、どんな治療法があるのかをご説明しながら、激しい緊張を感じているのは自分だけではない、治療することによって今よりもずっと楽になれるということをお伝えしています。また複数の方に集まっていただいて説明しますので「ほかにも困っている人はいる」ということを知る機会にもなります。

ガイダンスを受けられた方からこんな感想がよく寄せられてきます。「病気の全体像がわかり、治療への取り組み方が見えてきて少し先が明るくなりました」「同じ悩みを抱えた人の話を聞くことができ、自分だけではないと思えて気持ちが楽になれました」と。少しでもお力になれていると感じられると、心理士としても励まされます＾＾

これから治療を始めていく方はもちろん、これまで治療をされてきた方にも気軽に参加していただいています。ガイダンスはご家族やご友人も付き添いとして参加していただけるので、たとえば「家族にも病気のこと分かってほしい！でも、どうやって伝えたらいいか分からない」と悩んでいる方や「一人で参加するのは気が引けてしまうけど、誰かと一緒だったら参加してみたい」という方にもおススメです。

※各施設で開催日や時間帯が異なるため、実施の詳細につきましては各施設にお問い合わせください。